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社会保険旬報 Web医療と介護

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#診療報酬

報酬改定による急性期・回復期病院への経営影響を公表 WAM(2024年11月27日)

福祉医療機構(WAM)は11月27日、令和6年度診療報酬改定の影響を分析したアンケート調査(急性期および回復期関連)の結果を公表した。10月以降の経過措置終了後に、急性期一般入院料1の該当患者割合を「満たすことができない」との回答が回答病院の1割を占めた。地域包括ケア病棟入院料では、2024年度改定で導入した入院料の「逓減制」により、回答病院の2割以上が減収となった。調査は9月9日から10月11日までWeb形式で実施され、298法人から回答を得た(回答率20.3%)。 急性

ヘルスケア産業PFが中間年薬価改定の廃止などを要請(2024年12月2日)

医薬品・医療機器関連の労働組合で構成するヘルスケア産業プラットフォーム(篠原正人代表、写真左から3人目)は12月2日、中間年薬価改定の廃止などを盛り込んだ薬価・材料制度改革を求める要請書を厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官に提出した。 要請書(下記)では、①中間年薬価改定の廃止②各流通当事者が不採算に陥ることのない、安定供給に資する薬価・流通・材料制度の構築③イノベーション創出および良好な患者アクセスを実現する薬価・材料制度の構築④予防やセルフメディケーション

日医・松本会長が財務省の提案に反論(2024年11月20日)

日本医師会の松本吉郎会長は11月20日の会見で、11月13日に財政制度等審議会財政制度分科会で示した社会保障改革案について見解を示し、地域別単価の導入など財務省の医師偏在対策に反論した。 医療機関「見える化」は慎重運用を財務省が提案した医療機関の経営情報の「見える化」に対して、松本会長は慎重な運営を求めた。現在、医療機関が特定されない形で「経営情報データベース」が導入されており、職員の職種別給与や人数の提出は任意となっている。このデータベースは令和8年5月までに研究者に提供

医師偏在是正プランを策定し診療報酬で支援――新地域医療構想検討会で方針(2024年11月20日)

厚労省は11月20日の「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長:遠藤久夫)で、医師偏在対策の具体案を示した。全国で100か所程度を「重点医師偏在対策支援区域(仮称)」に指定し、「医師偏在是正プラン(仮称)」を策定。経済的インセンティブを含む支援を進める方針を明らかにした。財源については診療報酬の活用を基本とし、患者負担の増加が懸念される場合には保険者からの協力も求める考えだ。 重点支援区域の選定基準を提示厚労省は「重点医師偏在対策支援区域」の選定基準として、以下の要素を

財務省「特定過剰サービス」の報酬減算を提案 医師偏在対策に活用(2024年11月13日)

財務省は11月13日、令和7(2025)年度予算編成に向けた建議を議論する財政制度等審議会・財政制度分科会に、診療報酬を活用した医師偏在対策の新たな措置を提案した。ある地域の特定の診療科の医療サービスが過剰であると判断される場合に診療報酬の減算を行う「特定過剰サービス」の導入が柱となる。 財政審は、令和7年度予算概算要求に向けた春の建議でも単価見直しを求め、「診療所過剰地域における診療報酬1点当たり単価を引き下げた分の公費節減効果を活用して医師不足地域における対策を強化する

10月からの医療DX推進体制整備加算で疑義解釈 利用率要件を満たさなくなった場合の届出は不要(2024年9月27日)

厚労省は9月27日、令和6年度診療報酬改定に関する2本の事務連絡を発出し、医療DX推進体制整備加算等の取扱いについて疑義解釈を示した。マイナ保険証利用率要件を満たさなくなった場合、施設基準の辞退の届出は要さない。また、看護補助体制充実加算について、精神保健福祉法に基づいて身体的拘束を行った場合、身体的拘束実施日に該当しない。 マイナ保険証利用率要件を満たさなくなった場合でも、施設基準の辞退届出は不要厚労省保険局医療課は9月27日付けで「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整

能登半島地震に伴う診療報酬の特例措置は原則12月末まで(2024年9月18日)

厚労省保険局医療課は9月18日、事務連絡「令和6年能登半島地震による被災に伴う保険診療関係等の特例措置の期間について」を発出した。令和6年1月1日に発生した能登半島地震の被災に伴う保険診療関係等の特例措置について、原則、令和6年12月末までとすることを周知した。 令和6年能登半島地震に係る診療報酬等の特例措置について、次の事務連絡が発出されている(「関連記事」参照)。 令和6年1月2日保険局医療課等事務連絡「令和6年能登半島地震の被災に伴う保険診療関係等及び診療報酬の取扱

電子カルテ情報共有サービスで共有される「電子カルテ情報」の二次利用を可能に 仮名化情報の利活用も(2024年9月12日)

厚労省の「健康・医療・介護情報利活用検討会」は9月12日、4つのワーキンググループ(WG)から報告を受けた。医療情報の二次利用推進に関しては、電子カルテ情報データベースの構築が提案され、リモートアクセスやデータ利用申請の一元化が目指されている。また、介護情報基盤は令和8年度以降に稼働予定で、多職種連携を強化するためのデータ共有が図られる。今後の課題として、医療と介護間の情報連携や情報セキュリティの確保が挙げられている。 「医療等情報等の二次利用の推進」に関しては、8月30日

電子処方箋管理サービスで院内処方情報が登録可能に 令和7年1月以降予定――利活用検討会(2024年9月12日)

厚労省は9月12日、「健康・医療・介護情報利活用検討会」(利活用検討会)を開催し、4つのワーキンググループ(WG)から報告を受けた。電子処方箋の導入状況については、薬局を中心に利用率が伸びている。厚労省所管の公的病院においては、7割が令和6年度中に電子処方箋を導入する。また、都道府県による導入助成については、実施する都道府県が増加中だ。さらに利便性の向上に関しては、院内処方分の薬剤情報を登録できるよう作業中であり、令和7年1月以降の運用検証後に利用可能になる見込みだ。 利活

ベースアップ評価料の届出様式を簡素化――ベア評価料の算定を促す(2024年9月11日)

厚労省は9月11日、令和6年度診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」の届出様式を改正した。賃金改善計画書の職種グループ別記載項目を削除するなど、記載方法を簡略化した。また、同省の特設ウェブサイトをリニューアルし、説明資料や動画等を追加した。新たに、スタッフ10名以下の無床診療所向けの届出書類の書き方を公開している。 令和6年度診療報酬改定では、物価高に負けない賃上げの実現を目指して、❶病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーションに勤務する看護職員、病院薬剤師その他

地域包括診療料など9月末までの経過措置、引き続き算定する場合は施設基準の届出が必要(2024年9月11日)

令和6年度診療報酬改定により、医療DX関連の評価として、医療DX推進体制整備加算や在宅医療DX情報活用加算、訪問看護医療DX情報活用加算などが新設された。また、一般病棟用などの各「重症度、医療・看護必要度」や、療養病棟入院基本料における「医療区分」に係る見直しのほか、データ提出加算に係る届出を要件とする入院料の範囲が拡大された。 上記の新設や見直し等に伴い、経過措置が定められているものも多数項目におよぶほか、経過措置の期限を迎える項目で、引き続き算定する場合には届出が必要と

10月からの医療DX推進体制整備加算の見直しで疑義解釈――医療情報取得加算は12月から読み替えで対応(2024年9月3日)

厚労省保険局医療課は9月3日付けで「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」 を発出し、医療情報取得加算に係る既存の疑義解釈の一部の読み替えと、10月1日から見直される医療DX推進体制整備加算に係るQ&Aを示した。 医療情報取得加算は、現行ではマイナ保険証を利用する場合と現行の健康保険証を利用する場合で点数が異なっているが、12月2日に現行の健康保険証の新規発行は終了するため、12月1日から、マイナ保険証を利用する場

賃上げ促進税制の税額控除上限の引き上げなどを求める 日医が税制要望を発表(2024年8月28日)

日本医師会は8月28日、令和7年度の税制要望を発表した。社会保険診療等の控除対象外消費税については、前年度と同様の主張を盛り込み、「診療所においては非課税のまま診療報酬上の補てんを継続しつつ、病院においては軽減税率による課税取引に改めること」とした。新規項目としては、賃上げ促進税制の税額控除上限の引き上げなどを求めている。 日医の税制要望は以下の10項目。 社会保険診療等に係る消費税制度の見直し 医業承継時の相続・贈与に関する税制措置 医療機関に対する事業税特例措置の

出産の保険適用で妊産婦当事者等は費用負担の軽減を期待(2024年8月21日)

厚労省・こども家庭庁の「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」(田邊國昭座長)は21日、妊産婦の当事者および妊産婦の声を伝える参考人からヒアリングを行った。 妊産婦の当事者らに出産費用の保険適用により期待することを尋ねたところ、「費用負担の軽減」との回答が複数あがった。一方で、保険適用による不安・心配する点について尋ねると「保険適用によって、従来の自由診療ではできていた医療行為ができなくなる事態を心配している」「保険適用される範囲と適用外の範囲に分かれる