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新しい年金時代

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#6 |敵対より連携を!社労士と税理士

はじめに 先般思いがけず、税理士会の支部研修で講演する機会をいただきました。 テーマは「これだけは知っておきたい!労働関係法の基礎知識」です。 税理士とのみ顧問契約を結んでいる事業所では、税理士さんは一番身近な相談相手として日ごろからさまざまな質問や相談を受けるようです。その際に、顧客の側には内容が税理士の業務の範囲内かどうかの意識はあまりなく、労務関係について尋ねられて回答に困ることもおありのようです。そこで研修担当者の中から「労務管理の基礎について浅く広く知識を得た

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#5 |ふるさと納税のメリットを受けられるのは、誰?

はじめに ふるさと納税は2008年に始まり、何回かの制度の見直しを経て今日に至りますが、その人気はますます高く、総務省の発表によると昨年度の寄付額は過去最高を更新したそうです。 今年の10月から自治体の経費の基準が厳格化され、利用者にとっては少し不利になった面もあるようですが、それでもこれから年末にかけて、ふるさと納税のコマーシャルがかまびすしく展開されることでしょう。 この熱気に水をさす意図は毛頭ありませんが、実は私はふるさと納税という制度があまり好きではなく、返礼

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#4 | 子のアルバイトが親の税負担を増やす⁉

はじめに 昨年、顧問先の社長のK氏からこんな相談がありました。 「大学生の息子がアルバイトをもっとたくさんやりたいと言っているのですが、僕の扶養の範囲を超えて働くとどのくらいの影響があるのですか?」 そこで私は、「Kさんは報酬が高い方ですからかなり税金が増えますよ。後で試算してから具体的な金額をお返事しますね」と答えました。 そのときは税金の話だけをしましたが、息子さんの収入次第では健康保険の扶養からも外れることになります。 そこで今回は、子(今回のコラムでは、アルバイ

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#3 |侮れない!住民税を意識する効果

住民税のしくみと特徴 今年の3月、個人事業主のNさんご夫妻の令和4年分の確定申告の結果、ともに所得税がゼロ円になったので、確定申告の控書類を届けたときにお二人にその件を報告しました(確定申告自体は税理士が行い、私は補助業務や連絡係をやっています)。 その後、5月下旬に住民税の通知書が届いたタイミングで、奥様から「うちは非課税世帯じゃなかったのですか?」と少し強い口調での質問がありました。これはどういうことでしょうか。 詳しい解説は後に回しますが、読者の皆様はご自身が年間ど

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#2 扶養している妻の高額療養費はどうなる?

被扶養者の高額療養費 今回の記事のきっかけは、あるFP仲間からのこんな質問です。 「夫は会社員で高所得者、妻は健康保険の扶養内でパート勤務のМさんご夫妻の事例です。妻が大病を患って多額の医療費がかかったのですが、高額療養費がほとんど支給されなくて、自己負担が驚くほど高額になったそうです。これって何とかならないのでしょうか?」

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します-シーズン2|#1 雇用保険と退職後の賞与

雇用保険料率の変更 今回このテーマを取り上げるきっかけになったのは、知人のNさんから昨年12月にいただいたこんな質問です。 「私は9月30日に定年退職し、その後12月9日に最後の賞与の支給があったのですが、雇用保険料が天引きされていました。これっておかしくないですか?」 回答は、「間違いではありません。たとえ退職後でも、在職中の労働の対償として支給される賞与は雇用保険料の算定対象になります」です。 Nさんにそう答えた後で、次の2つの疑問が湧きました。 「雇用保険の料

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【年金時代】連載記事の目次です。

 記事の更新情報はメールにてお送りしています。ぜひご登録ください。 年金、雇用・労働、子育て支援などの制度の内容や改正情報について、社会保険労務士や大学教授をはじめとする専門家、有識者が解説しています。 🔹新しい年金時代🔹(定期購読マガジン)制度を知り実務に役立てる三宅社労士の年金実務セミナー 実務サポート 年金手続update わたしのねんきんエピソード もっと知りたい! わたしのねんきん

年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#12 学生の期間と将来の年金額

◆再雇用で増える年金~経過的加算~ 今回は、学生の期間と将来の老齢年金の金額にまつわる質問事例を2つ取り上げます。   ひとつ目の事例は、定年が近づいた58歳のサラリーマンYさんからの、2年前の質問です。 「新聞に、再雇用で働くといくら年金が増えるかについて、社会保険労務士の人が『ねんきん定期便』を使って試算した過程と結果が載っていたのですが、読んでもよくわからないので、私の『ねんきん定期便』で試算してもらえませんか」とのこと。   こうした金額を知りたい方は、結構多いので

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#11 入社月に退職したら社会保険料は

◆同月得喪(どうげつとくそう)とは? 最近は売り手市場が影響してか、短期間で転職を繰り返して、より良い条件の職場で働きたいと考える方も多いようで、せっかく入社してもあっけないほど早く退職してしまうケースがずいぶん増えたように感じるのは、私だけではないのではないでしょうか。 会社側はその方を採用するために手間も時間もかけ、場合によっては人材紹介料金も支払って期待を持って迎え入れるわけですから、退職の意思表示にほんとうにガックリされ、傍から見ていても何ともお気の毒で残念なこと

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#10 ボーナスにまつわるあれこれ

◆特殊な取扱いの賞与計算 7月の声を聞くと、世間では夏のボーナス(賞与)を手にした方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。我が家は長年自営業世帯でボーナスとは無縁のため、若い頃はこの時期の「夏のボーナスセール開催中!」のような大々的な広告にいちいちイラッとしたものです(笑)。 さて、この賞与支給時の税金や社会保険料について、給与計算や社会保険の手続き業務を行っている方にとっては当たり前のことでも、一般の方はほとんどご存じない大事なルールがあります。賞与の手取り額や将来の

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#9 65歳からの介護保険料

◆65歳を境に介護保険料の算定方法や納め方が変わる 一昨年のある夏の朝、同級生のMさんから勢い込んで電話がかかってきました。何事かと思ったら「会社員の主人が65歳になったら介護保険料が急に上がったんだけど、これって何とかならないの?」とのこと。また昨年は、自営業世帯のTさんご夫妻からも同様の質問がありました。 介護保険料については、一般的には「40歳以上65歳未満は健康保険料に上乗せして納め、65歳になると基本的には公的年金から天引きされる」との説明がなされることが多いた

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#8 16歳未満の子について申告し忘れたら?

◆16歳未満の子について申告し忘れたら? 今回のテーマの事の起こりは、数年前の春に受けた共働きのSさんご夫妻からのこんな相談です。 「去年の源泉徴収票を見たら、2人の子どもがどちらの扶養家族にもなっていませんでした。今からでもどちらかが申告したほうがいいのでしょうか?」 実はこの数年間に2人のお子さんが生まれ、その間に住宅ローンの借り入れや夫の転職もあり、毎年どちらの扶養にするとよいのか判断に迷いながら手続きをしてきたので、こういうことが起こったようです。 そのとき私

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#7 医療と介護、両方の負担がかさんだら

令和2年版高齢社会白書によれば、60歳以上の男女に将来に向けて経済面で不安なことを尋ねたところ、一番多かったのは「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること」だそうで、家族に負担をかけないようにきちんと備えておきたいと考える人は多いようです。そこに着目してか、新聞紙面では1週間のうちに何回も高齢者向けの医療保険等の全面広告が打たれています。 それらの広告では誰でもすぐに加入できることが強調され、資料請求をするだけで抽選でプレゼントが当たるそうで、今すぐ行動しないともった

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#6 年金受給世代の医療費控除

今はまさに確定申告の繁忙期で、私も補助業務に追われる日々です。 特に医療費控除については長年数多くの申告に関わってきましたが、その中から今回は、年金受給世代の医療費控除にスポットを当てて、押さえておきたいポイントについて事例を絡めて詳しく解説したいと思います。 <図表1>は、一般の方向けのライフプランセミナーで、医療費控除の説明をする際に私が使用しているスライドです。お伝えしたい情報はいくらでもあるのですが、医療費控除だけに多くの時間を割くわけにもいきませんので、この1枚を

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