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コウタ:特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日によって下の図のように決まっているよ。 ユ ウ:こうして見ると対象者は限られているんだね。「特別支給」っていうだけあって。 コウタ:生年月日が昭和36年4月1日以前の男性と昭和41年4月1日以前の女性は65歳前にこの年金が受けられるんだ。 ユ ウ:それより若い世代はみんな65歳支給開始だね。60歳でリタイアするとしたら65歳までの5年間、収入なしで大丈夫かなあ。 コウタ:かつては60歳で定年退職が一般的だったけど、多く
心身が疲労をすると、身体の免疫力が下がり疾病に罹患することはありますが、疲労そのものが疾病であるというのが慢性疲労症候群です。外傷があるわけでもなく、異常値が検出されているわけでもないこの疾病は、周囲からは詐病ではないかと思われ、理解されにくいものでしたが、1988年にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)により概念化された比較的新しい疾病です。 疾病名の通り、主要な症状は「疲労」です。ただし、明らかに原因が分かっている疲労(例えば激しい運動をした等)は、当該疾病の「
今回は、代表取締役を務めていた夫が死亡したケースです。夫は生前に体調を崩し、代わりに妻が代表取締役に就任しました。2年余りで夫は亡くなり、妻はその年の年末に代表取締役を退任して会社も退職する予定です。給与収入がなくなるため、収入減が見込まれます。こうしたケースで収入要件の「近い将来の収入減」が認められるかどうか、見ていきます。 老齢厚生年金受給者が死亡した場合の遺族厚生年金夫のA雄さんが死亡したとして、B子さんが遺族厚生年金の請求のため、年金事務所を訪れました。B子さんの持
Мさんは、今月65歳になりましたが、日本年金機構から届いた書類を前に繰下げ受給しようかどうか悩む日々が続いているそうです。 Мさんのように60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受けている人が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わって、新たに「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を受給することになります。 この場合、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金の受け取り方を選択し、期日までに書類を提出(送付)することになっています。 今回は、65歳からの年金の受け取り方につい
前回、マイナンバーによる行政機関同士の情報連携によって、省略できるようになった年金関連の届書や請求書の添付書類をご紹介しました。一方で、情報連携の対象外の書類は引き続き、提出が必要です。今回は、年金請求手続において、マイナンバーによる省略ができない添付書類をまとめました。 1 老齢年金の請求手続について 年金請求書への添付書類として、すべての人が提出を求められるのが「戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか」です。 住民票情報について
コウタ:早く受け始めると年金額が減額、逆に遅く受け始めると増額されるよ。 ユ ウ:繰上げ受給をすると年金額はどれくらい減るの? コウタ:繰上げ受給の減額率は1月当たり0.4%だよ。 ユ ウ:例えば年金額180万円の人が5年繰り上げて60歳で繰上げ請求をすると減額率は0.4%×12月×5年=24%、年金額は43万2,000円減額されて136万8,000円になるんだね。
今回は、夫死亡時に別居していた妻が遺族厚生年金を請求したケースです。別居の理由が夫の暴力から逃れるためなので、音信・訪問はなく経済的援助もありません。こうした場合の生計維持関係をどう認定するのか、事例を通じてご紹介します。 年金受給中の夫のA雄さんが死亡したとのことで、B子さんが年金事務所に遺族厚生年金の請求に来所されました。A雄さんとB子さんは住民票上の住所が異なっているため、生計維持関係を確認する必要があります。当日は請求に必要な添付書類を説明し、「年金請求書(国民年金
みなさんこんにちは。 今回は「民主主義インデックス」の3回目。最終回です。 日本の民主主義はどう評価されているかさて。前回の連載で、日本の民主主義は「欠陥のある民主主義」に分類されている、というお話をしました。 日本のスコアがどうなっているのか、どのスコアが低いことが全体の評価に影響しているのか、細かく見てみたいと思います。 まず、主要欧米諸国(アメリカを除きすべて「完全な民主主義」です)と日本のスコアを、個別カテゴリーごとに比較してみましょう。 一見して明らかなように
基本的なしくみ 株式投資については、「ギャンブルのようなもの」「怖くてできない」「素人にはムリ」などのイメージを持っている方も多いようです。確かにそんな側面もありますが、そうばかりでもありません。今回のコラムではやってみたいと考えている方に向けて参考になる情報をお伝えできればと思います。 株の取引は多くの方にとってイメージしやすいものではないかと思いますが、まずは基本的なしくみを確認しておきます。以下、<図表1>の図を参照しながらお読みください。 株式とは、株式会社が
脳脊髄液減少症とは、脳や脊髄のまわりを流れる液が、何らかの理由で漏れ出してしまう疾患です。この液が減少すると脳の機能が低下し、身体に様々な支障が出現します。 脳脊髄液が漏れ出す主な原因としては、外部から身体への強い衝撃が加わることです。それゆえ、交通事故やスポーツ外傷が原因になることが多いようです(まれに突発性など、身体に強い衝撃が加わらなくても引き起こされることもあります。)。 症状としては、起立性頭痛が出現するのが特徴ですが、その他にも吐き気、視力聴力の低下、
(承前) みなさんこんにちは。 前回に引き続いて「民主主義インデックス」の解説をします。 その前にちょっとだけ近況報告。 年明け早々、ATVというアゼルバイジャンのテレビ局から取材の申し込みがありました。 バクー駐在の各国大使の趣味を紹介する、という10分ほどのインタビュー番組で、テレフォンショッキングよろしく前回登場した大使が次の大使を紹介していく、という趣向の番組です。 私の前はギリシャ大使。彼の趣味は絵画です。画集も出版していて、ここバクーでも何回か個展を開いて
65歳以上になると、介護保険料は、原則、公的年金から天引きされるようになります。 ご相談者の中には、「65歳前と比べると、介護保険料が2倍以上になって驚いた!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。 なぜ、65歳を境に介護保険料は増えるのでしょうか? 今回は、年金から天引きされる65歳以上の介護保険の保険料の仕組みについてご説明します。 65歳以上は第1号被保険者、40歳以上65歳未満は第2号被保険者 介護保険制度は、高齢化や核家族化の進行などを背景に、介護を社会全体で支える
高橋 俊之(たかはし としゆき)/日本総合研究所特任研究員、元厚生労働省年金局長
マイナンバー(個人番号)による情報連携により、日本年金機構への届出が一部不要になったり、年金関連の届書等への記載事項や添付書類の一部を省略できるようになっています。ただ、こうした措置は段階的に進められているうえ、例外的な取扱いもあります。 そこで今回は、これまでの流れを振り返りながら、現状を整理します。 戸籍謄本等の添付省略について日本年金機構において、令和6年3月から戸籍関係情報の連携について試行運用を開始しましたが、現時点では各種届書等への戸籍謄本等の添付は省略できませ