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年金時代(無料版)

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記事一覧

勤務間インターバル制度を「導入した」企業は全体の6%、「知らない」企業は19.2%—―令和6年版過労死等防止対策白書

厚生労働省は、10月11日に「令和6年版過労死等防止対策白書」を公表した。これによると、勤務間インターバル制度について、制度を導入している企業(就業規則または労使協定等で定めているもの)の割合は、調査対象である常用労働者30人以上の民営企業で、令和5年で6.0%となった。前年の5.8%から0.2ポイントの増加となったが、「制度を知らない」と回答した企業は全体で19.2%であった。 令和6年に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の数値目標は、労働者数30人以

#56|テレワーク制度の見直し~BCP、改正育児・介護休業法施行を見据えて~

テレワークの現状 新型コロナウィルス感染症の流行を機にテレワークを導入する企業が増え、現在もテレワークのメリットを生かし、制度を継続する企業が存在します。また、労働者もテレワークをきっかけに仕事と生活の両立が容易になったり、新たに働く機会を得たりすることができるようになりました。 しかし、一部の企業ではテレワークから出社勤務に戻る動きが出ているように、テレワークに対する企業姿勢に変化が生じています。 全国平均におけるテレワーク実施率は、コロナ禍前と比べ、令和3年、令和4

「アセットオーナー・プリンシプル」の受入表明は9月末時点で17機関

政府が8月に策定した、アセットオーナーが受益者の最大利益を勘案して行動すべきであるとした「アセットオーナー・プリンシプル」に対して受入表明をしたアセットオーナーは9月末時点で17機関である、と内閣府が発表した。 内閣府が発表した「アセットオーナー・プリンシプル」を受入表明したアセットオーナーは以下の通り。 リストを見ると、公的アセットオーナーがそろった感がある。国民年金基金連合会は、「加入者及び受給者の最善の利益を勘案して、積立金を運用する責任(フィデューシャリー・デュー

労働者協同組合設立が110を超える――労協法施行から2年

令和4年10月1日に施行された「労働者協同組合法(労協法)」に基づき設立された労働者協同組合は令和6年10月1日現在で、110法人を数えた。 少子高齢社会における多様な働き方の選択肢を広げるために施行された同法の下に、地域に根差したさまざまな法人が1都1道2府27県で誕生している。 労働者協同組合は、 1) 組合員が出資すること 2) その事業を行うにあたり、組合員の意見が反映されること 3) 組合員が組合の行う事業に従事すること の基本原理に従い、持続可能で活力ある地域社

iDeCo+(イデコプラス)における届出内容の変更などについて意見募集

厚生労働省は9月25日、iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)の届出内容の変更などについて意見募集を開始した。iDeCo+は、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)などの企業年金を実施していない従業員数300人以下の事業主が、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している従業員の掛金に上乗せして掛金を拠出できる制度。iDeCo+の事業主掛金に関する変更があった場合、事業主は届書に変更前の掛金額を記載する必要があるが、手続きの簡素化を図るため、

退職準備者に必須の情報が満載!ライフプランセミナーのテキストにも『今日から始める!ライフプラン』

令和6年度版『今日から始める!ライフプラン』(A4判・80頁)は、ライフプラン作りのノウハウと退職準備に必須の社会保険の給付・手続きを網羅した手引書です。そろそろライフプランを考えたい方の入門書として、また各種ライフプランセミナーのテキストとして、ご活用いただいている本書の内容をご紹介します。 まずは内容のご紹介第1章 ライフプランについて考えよう 1.ライフプランとは 2.ライフデザイン・ライフイベントとは 3.基本的な3つのプラン(生きがいプラン・健康プラン・家庭経済プ

GPIFが経団連と「アセットオーナーラウンドテーブル」創設

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は9月17日、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)と、「経団連・GPIF アセットオーナーラウンドテーブル」の創設で合意したと発表した。 同ラウンドテーブル創設の目的は、アセットオーナーは受益者の最大の利益を勘案して行動すべきとして政府が8月28日に定めた5つの原則である「アセットオーナー・プリンシプル」策定後、企業との継続的な意見交換の場を新たに設けるためとしている。 第1回会合は10月3日に開催予定。アセットオーナー側の参加

日本の高齢者就業率はOECD諸国の中では韓国、アイルランドに次ぐ高さ―― 令和6年版「労働経済白書」公表

厚生労働省は9月6日、「令和6年版 労働経済の分析」を公表した。今回の分析テーマは「人手不足への対応」。人手不足の背景を1970年代前半(高度経済成長期末期)、1980年代後半~1990年代前半(バブル経済期)、2010年代以降現在に至るまでの3期間に分けて分析しているほか、「誰もが活躍できる社会の実現」として、潜在労働力についても分析している。人手不足解消には、女性、高齢者、外国人など多様な人材を取り入れ、労働参加率を労働生産性とともに向上させるべきとしている。 就業希望

#55|カスハラ対策~企業と従業員を守るために~

業種を問わず、‟顧客等からの著しい迷惑行為”は存在 店頭で顧客が従業員を怒鳴りつける場面に出くわしたことが、誰でも一度はあるのではないでしょうか。あるいは、実際に顧客から理不尽な要求をされた経験があるという方もいらっしゃるかもしれません。 厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の中で、 顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様

令和6年財政検証のピアレビューに向け意見交換――第101回年金数理部会

厚生労働省の社会保障審議会年金数理部会(部会長=翁百合・(株)日本総合研究所理事長)は9月4日、令和6年財政検証結果について報告を受け、意見交換を行った。年金数理部会は、厚生年金保険や国民年金・基礎年金、共済年金といった各年金制度の毎年度の決算について審議し、公的年金財政状況報告を取りまとめる役割のほか、5年に一度実施される財政検証結果について推計の基礎データや推計手法、推計結果の分析のあり方、制度の安定性・公平性の観点などを分析・検証し、今後の財政検証への提言を行う「ピアレ

公的年金手続の戸籍謄本省略関連で意見募集

厚生労働省は9月6日、公的年金の手続において戸籍謄本の添付を省略することに伴い、届書の記載事項に個人番号を追加することについて意見募集を開始した。 各種行政手続では、令和6年3月から個人番号制度の情報提供ネットワークシステムを通じた情報連携によって本人情報や親子関係、婚姻関係といった戸籍情報を確認することができるようになっている。また、個人番号による情報連携を行う場合は、個人情報と同一内容の情報を含む書面の提出も省略できるようになっている。 これを受けて厚生労働省は、公的

来訪者の満足度は8割以上 ー 令和5年度年金事務所・街角の年金相談センター お客様満足度調査ー日本年金機構

日本年金機構は7月29日、令和5年度に実施した年金事務所・街角の年金相談センターのお客様満足調査結果を公表した。 職員のビジネスマナーや接客態度について、「満足」(60.8%)、「ほぼ満足」(26.3%)とした回答者は、全体の8割以上(87.1%)、窓口での説明については、「満足」(53.9%)、「ほぼ満足」(32.4%)と、こちらも全体の満足度は8割以上(86.3%)に上った。 調査は令和5年6月1日から令和6年2月14日にかけて、全国の年金事務所等の来訪者に対してアンケ

老齢年金の受給者は100人中27.8人- 「日本の1日、人口100人でみた日本」

厚生労働省は8月27日、令和元年~5年の数値を用いて作成された「日本の1日、人口100人でみた日本」を公表した。このうち、「人口100人でみた日本」の概略を紹介する。 人口は、男性48.6人、女性51.4人、15歳未満は11.4人、65歳以上は29.1人。 年金関係を見ると、国民年金の被保険者は、第1号11.3人、第2号等37.1人、第3号5.8人、老齢年金の受給者は27.8人となっている。 労働関係では、就労者は54.3人、このうち自営業者は4.1人、雇用者は48.9人。雇

ゲノム情報による不当な差別等への対応で厚労省がQ&Aを公表

厚生労働省は8月20日、労働分野におけるゲノム情報による不当な差別等への対応の確保に関するQ&Aを公表した。 生まれながらに固有で、子孫に受け継がれ得る個人のゲノム情報(遺伝情報)については、当人はもとよりその家族についても将来の健康状態を予測し得る等の特性があることから、病気の診断や治療、予防への活用が期待される一方で、ゲノム情報による不当な差別等が懸念されている。 Q&Aは、令和5年6月16日に公布・施行されたゲノム医療推進法(良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して