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臨時定員削減へ2040年までの医師養成数の推計示す(2024年2月26日)

厚労省の医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会は2月26日、2026年度の医学部臨時定員について議論した。2040年に向けた医師養成数の推計を踏まえ、日本医師会の釜萢敏常任理事をはじめ、多くの委員が2026年度の医学部臨時定員を削減すべきとの意見を述べたが、全日本病院協会の神野正博委員は慎重な姿勢を示すほか、全国知事会は臨時定員枠の維持を求めた。医師の偏在対策については、医師多数地域から少数地域に医師の移動が進む強化策や、医師多数地域の開業制限を視野に入れた検討の必要性も指摘された。

医師の需給推計は2029年で均衡し、その後は人口減少に伴い将来的に医師需要が減少局面に入ると推計されていることから、これまで医学部臨時定員を削減する方向性が進められてきた。一方で、医師少数県などの医師不足は解消されておらず、「医師の偏在対策とセットで行われることが必要」との主張もある。そのような中で、本検討会は今年春までに2026年度の医学部臨時定員の方針を決定する必要がある。

検討にあたり、厚労省は2040年に向けた医師養成数の推計を示した。
2024年の医学部定員は9,403人で、約116人に1人が医学部に進学するが、2024年度の募集定員数で固定した場合、2050年には約85人に1人が医学部に進学することとなるとした。


一方、「2024年の18歳人口に占める医師養成数の比率」を固定した場合で医師養成数を算出すると、2030年には9,067人、2035年には8,308人、2040年には7,093人となり、2035年時点で2024年の恒久定員数の8,398人を下回る見通しとなる。

同様に、2024年の18歳人口に対する恒久定員数の比率をもとに算出すると、医師養成数は2030年には8,098人、2035年には7,420人、2040年には6,335人と減少し、その後も人口減少に伴い減少する。つまり、臨時定員をゼロにすると、より早い段階で現在の恒久定員数を下回る見込みとなる。

さらに、臨時定員増員前の2005年の医師養成数の比率を2024年の18歳人口に当てはめて算出すると6,130人となる。定員数を2005年の水準に戻すことでさらに大幅な減少が見込まれることを示した。

厚労省資料より抜粋


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