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#介護給付費分科会

介護報酬改定議論に決着、4つの施行時期で実施へ(令和6年4月・6月・8月/令和7年8月)

厚生労働省は、1月15日に第238回社会保障審議会介護給付費分科会を、1月22日に第239回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 第238回分科会では運営基準等に関する事項に係る諮問・答申が、第239回分科会では介護報酬改定案に係る諮問・答申が行われた。 指定基準等については、1月25日に省令が公布され、介護報酬改定係る内容についても現在パブリックコメントにかけられている(意見募集は2月21日まで)。 『令和6年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する御意

多床室月8,000円相当一部老健・介護医療院に室料導入へ、居住費は日60円引き上げに――第237回介護給付費分科会(2023年12月27日)

厚生労働省は12月27日、第237回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 令和6年度介護報酬改定の改定率のほか、介護報酬改定審議報告において「予算編成過程において検討する」としていた、「多床室の室料負担」および「基準費用額(居住費)」の見直しについて報告した。 改定率は+1.59%に、3年目の処遇改善は8年度予算時検討12月20日の予算大臣折衝を経て決定した、令和6年度の介護報酬改定率は、+1.59%。 その内訳は、介護職員の処遇改善分が+0.98%(令和6年6月

介護改定6月施行は「訪問看護」等4サービス、審議報告とりまとめへ――第236回介護給付費分科会(2023年12月18日)

厚生労働省は12月18日、第236回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 前回に引き続き、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)について議論。案はおおむね了承され、今後厚生労働省のホームページに公表される見込みだ。 また、議論のなかで厚生労働省より施行時期に関する説明があり、「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「通所リハビリテーション」は6月施行、その他のサービスは4月施行とする方針が示された。 審議報告を了承、老健局長「改定率を踏まえ

新要件に経過措置・新処遇改善加算案の概要、ICT活用等の新加算などを紹介――第233回・第235回介護給付費分科会より

12月11日に開催された第235回社会保障審議会介護給付費分科会において、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)が示された。 このうち、【3】良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくりのうち、「介護職員の処遇改善」と「生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり」については、11月30日に開催された第233回分科会で議論された内容となっている。 今回は、過去の記事では取り上げていない第233回分科会の資料を交えて、この内容を紹介する。 (審議報

年内取りまとめに向け、介護報酬改定審議報告案が示される――第235回介護給付費分科会(2023年12月11日)

厚生労働省は12月11日、第235回社会保障審議会介護給付費分科会を開催。 令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)が示され、議論した。 審議報告案は、10月11日の第227回分科会での「基本的な視点」と第228回から第234回までの論点・対応案や委員の意見をもとに整理したもの。 上記分科会については第233回を除き、過去の記事で紹介している。 メインとなる「令和6年度介護報酬改定の対応」の基本的視点は次の4つ。 これに【5】その他を加えた5つに分類され、対象とな

LIFEへの提出頻度を最低3月に1回へ統一、高齢者虐待防止未実施は基本報酬を減算――第232回介護給付費分科会(2023年11月27日)〈後編〉

【1】認知症への対応力強化、【2】感染症への対応力強化、【3】業務継続に向けた取組の強化等、【4】LIFE、【5】口腔・栄養、【6】その他(高齢者虐待の防止、送迎)の6つが議題となった11月27日に第232回介護給付費分科会について、第234回介護給付費分科会(12月4日)の記事からさかのぼり、2回に分けて紹介。 この記事では後編として【4】から【6】を掲載する。 【4】LIFEフィードバックを充実、訪問系サービス等への関連加算対象拡大は見送る【4】LIFEでは、「入力項

認知症行動心理症状へのチームケアに新加算、BCP未策定は基本報酬の減算へ――第232回介護給付費分科会(2023年11月27日)〈前編〉

11月27日に第232回介護給付費分科会が開催され、【1】認知症への対応力強化、【2】感染症への対応力強化、【3】業務継続に向けた取組の強化等、【4】LIFE、【5】口腔・栄養、【6】その他(高齢者虐待の防止、送迎)の6つの議題について、それぞれの論点・対応案が示された。 すでに公開した第234回介護給付費分科会(12月4日開催)の記事からさかのぼり、2回に分けて内容を紹介。この記事では上記【1】から【3】について掲載する。 【1】認知症加算・認知症専門ケア加算の利用者割

6年度改定・運営基準見直し等がパブコメへ、新複合型創設は見送りに――第234回介護給付費分科会(2023年12月4日)

厚生労働省は12月4日、第234回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 令和6年度介護報酬改定に向けた議題として、【1】運営基準に関する事項、【2】多床室の室料負担、【3】複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)、【4】その他(基準費用額等)を議題とし、議論した。 【1】施設系の協力医療機関設定や事業所の重要事項のWeb掲示が義務化へ【1】「運営基準に関する事項」では、運営基準の改正等に関する事項案が示された。 これまでの議論において示された対応案のうち、自治

特養・老健が初の赤字に、訪問・通所介護は人員減。福祉用具は選択制等を議論――第231回介護給付費分科会(2023年11月16日)<その3>

厚生労働省は11月16日、第231回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、『令和5年度介護事業経営実態調査の結果』や『福祉用具』に関して議論を行った。 収支マイナスの施設サービス、プラスのサービスも改善は「限定的」『令和5年度介護事業経営実態調査の結果』では、介護サービスごとの令和4年度決算における収支差率が示された。 税引前収支差率(コロナ関連補助金・物価高騰対策関連補助金を含まない)でみていくと、介護老人福祉施設は▲1.0%、介護老人保健施設は▲1.1%と、それぞれ

老健・介護医療院で看取り対応を充実、リハ・口腔・栄養の一体的取り組みも評価――第231回介護給付費分科会(2023年11月16日)<その2>

厚生労働省は11月16日、第231回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 当記事では『介護老人保健施設』と『介護医療院』の内容を紹介する。 同日議論された、介護保険施設を横断する『高齢者施設等と医療機関の連携強化』の内容や、老健・介護医療院も対象となる『介護老人福祉施設』の「ユニットケアの質向上・普及促進」については、第231回介護給付費分科会(2023年11月16日)<その1>に掲載している。 【老健】支援相談員の指標に社会福祉士の配置を評価、短期集中リハ加算に

介護保険施設に協力医療機関設定の義務化案、特定施設・認知症GHも努力義務に――第231回介護給付費分科会(2023年11月16日)<その1>

厚生労働省は11月16日、第231回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 高齢者施設等と医療機関の連携強化のほか、施設サービスや特定施設入居者生活介護、福祉用具に関して議論した。 また、令和5年度介護事業経営実態調査の結果や関連する資料について報告が行われた。 当記事では、施設サービスや居住系サービスに関連する『高齢者施設等と医療機関の連携強化』のほか、『介護老人福祉施設』『特定施設入居者生活介護』について紹介する。 【施設等】入院退所の情報提供評価を新設、協力

緊急時訪問看護加算の電話対応は看護師以外も可能に、訪問リハでの認知症リハは加算で評価――第230回介護給付費分科会(2023年11月6日)<その3>

厚生労働省は11月6日、第230回社会保障審議会介護給付費分科会を開催。 横断的事項である「介護人材の処遇改善等」「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」のほか、「訪問介護・訪問入浴介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「居宅介護支援」の各サービスについて議論した。 本記事では、「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」について紹介する。 【訪問看護】退院時評価の情報共有にメール等を活用、他サービスの連携体制要件には加算

訪問介護・居宅介護支援等における同一建物利用者への提供などが争点に――第230回介護給付費分科会(2023年11月6日)<その2>

厚生労働省は11月6日、第230回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 テーマは横断的事項である「介護人材の処遇改善等」「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」のほか、各サービスでは「訪問介護・訪問入浴介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「居宅介護支援」が対象となった。 本記事では、各サービスのうち「訪問介護・訪問入浴介護」と「居宅介護支援」について紹介する。 訪問介護は特定事業所加算、訪問入浴介護は新加算で看取り期対応を評価訪

一本化の処遇改善加算にケアマネ対象を求める声、新複合型には厳しい意見も――第230回介護給付費分科会(2023年11月6日)<その1>

厚生労働省は11月6日、第230回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 横断的事項である「介護人材の処遇改善等」「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」のほか、各サービスでは「訪問介護・訪問入浴介護」「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」といった訪問系サービスに加え、「居宅介護支援」がテーマとなった。 本記事では、横断的事項である「介護人材の処遇改善等」「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」について紹介する。 介護職員処遇改善