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社会保険旬報 Web医療と介護

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2021年9月の記事一覧

オンライン資格確認・レセプト振替サービス「適切に対処する」(9月28日)

社会保険診療報酬支払基金の屋敷次郎理事長特任補佐は9月28日の会見で、10月20日に本格稼働するオンライン資格確認システムおよび10月5日から同システムを活用して運用開始するレセプト振替・分割サービスについて「オンライン資格確認は試行的実施が始まっており、一挙に大量の毎月の診療報酬支払のデータが来るわけではない。またレセプト振替・分割サービスは、すでにかなりの数のテストデータを流し、きちんと振替えるべきものは振替えて金額と点数が合っているのかを繰り返している。ただ、本番は何が

LIFEのさらなる活用に向けて導入の課題等を調査(9月27日)

社会保障審議会介護給付費分科会は9月27日、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の調査票等について議論を行った。調査票案はおおむね了承された。 令和3年度調査は、◇介護医療院のサービス提供実態等の調査◇LIFE を活用した取組状況の把握と訪問系サービス・居宅介護支援事業所のLIFE の活用可能性の検証◇文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の調査◇福祉用具貸与価格の適正化の調査―の4つが実施される。 介護医療院調査は、介護療養型医療施

臨床研修医の時間外労働上限の一覧化を了承(9月24日)

医道審議会臨床研修部会は24日、医師の時間外労働の上限規制における臨床研修医への対応について、臨床研修プログラムへ年間の想定労働時間を記載し、一覧化する案を了承した。 医師の働き方改革に関する検討会での取りまとめでは、臨床研修医に対しては上限が年1860時間となるC-1水準の適用が特例的に認められているが、指定に向けて臨床研修医の時間外労働の実態を適切に把握する必要があるとしている。 これらの点を踏まえ、年間での時間外・休日労働想定上限時間数や、過去の時間外・休日労働

5月の概算医療費は前年比11.5%増加 一昨年と比べると1.8%減少(9月22日)

厚労省は22日、今年4~5月の概算医療費を、社会保障審議会医療保険部会で報告した。概算医療費の対前年同月比は、4月は+10.6%、5月は+11.5%と大きく増加している。昨年はコロナの影響が大きいため、コロナ流行以前の一昨年の同月と比べてみると、4月は+0.8%、5月は▲1.8%。 休日数等を調整した後の概算医療費をみると、対前年同月比では、4月は+10.2%、5月が+11.5%。対前々年同月比では、4月は▲1.9%、5月は▲2.5%となり、一昨年より医療費が減少している

10月20日からオンライン資格確認が本格運用(9月22日)

厚労省は9月22日の社会保障審議会医療保険部会に、10月20日からオンライン資格確認システムを本格運用することを報告した。10月20日より、オンライン資格確認システムを導入した医療機関・薬局では、患者の特定健診等情報と薬剤情報を閲覧することも可能になる。 これに先立ち10月5日から、レセプトの振替・分割サービスが始まる。旧資格の保険証で受診した患者のレセプトについて、審査支払機関側で正しい資格情報の保険者に振替・分割が行われるようになる。これにより、医療機関での返戻が減る

来年度の専攻医募集で専門医機構・学会に要請(9月17日)

医道審議会・医師専門研修部会は17日、来年度の専門医研修の専攻医募集について、日本専門医機構と学会に対する意見・要請をまとめた。日本専門医機構は意見・要請を踏まえた上で、令和4年度の専攻医の募集を11月4日から開始する予定だ。 専門医の研修プログラムに関しては、医師法により、地域医療を確保する観点などから、厚生労働大臣が意見・要請を行うことになっている。日本専門医機構にはそれを反映させる努力義務がある。 日本専門医機構への意見・要請では、「医療提供体制の確保に重大な影

HPVワクチン積極的勧奨再開へ10月に審議開始(9月17日)

田村憲久厚生労働大臣は9月17日の閣議後会見で、HPVワクチン接種の積極的な勧奨の再開について、「可能であれば、10月中の早い時期に審議を開始したい」と述べた。 子宮頸がんなどを予防するHPVワクチンは、平成25年4月に定期接種となったが、副反応の報告を受け、同年6月から予防接種対象者への積極的な勧奨を中止している。田村大臣は、「私が大臣のときに積極的勧奨を中断した。そういう意味では、私自身の宿題でもある」と述べ、積極的な勧奨の再開に意欲を示した。 積極的勧奨の再開時

ワクチン分科会が交互接種を了承 追加接種は必要性を確認(9月17日)

厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会は9月17日、新型コロナワクチンについて、1回目と2回目で異なるワクチンを接種する交互接種を、一定の要件のもとで認めるとした。 現在国内で承認されているファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社の3つのワクチンについて、mRNA ワクチン接種後に重篤な副反応が生じた場合や、1回目と2回目に同一のワクチンの接種を受けることが困難な場合に、1回目の接種から2回目の接種まで 27 日以上の間隔をおいて、異なるワクチンの接種が承認された。

日医中川会長が行動制限緩和に理解示す(9月15日)

日本医師会の中川俊男会長は9月15日の会見で、政府が検討する行動制限緩和の基本方針について理解を示した。 基本方針では、基本的な感染防止対策を維持する前提で、変異株の出現などにより感染が急拡大し医療ひっ迫が見込まれる場合は、強い行動制限を国民に求めることがあるとしている。中川会長はこの点を評価した上で、「日本人の高い公衆衛生意識をもってすれば、行動制限緩和の実現の可能性はあると考える。感染再拡大の兆しをいち早く察知し、先手先手の措置をとることがとくに重要だ」と述べた。 ワ

令和2年受療行動調査を公表 外来の予約が増加(9月13日)

厚労省は9月13日、令和2年受療行動調査(概数)の結果を公表した。 外来患者の予約状況をみると、「予約をした」が前回平成29年調査から6.0ポイント上昇し、77.4%となった。厚労省の担当者は、「新型コロナウイルス感染症の発生が医療機関の体制変化に影響を与えた可能性として考えられる」との見解を示した。 外来患者の診察時間は「5分~10分未満」が41.2%と最も多く、次いで「5分未満」が27.7%、「10分~20分未満」が15.7%の順となった。 入院患者の今後の治療・療

厚生労働白書への違和感(中村秀一)

公衆衛生は社会保障の柱なのだが1950年の社会保障制度審議会勧告は、わが国の社会保障は社会保険を中心とし、社会扶助をその補完として位置づけ、これに公衆衛生と社会福祉をもって構成するとした。社会保障には公衆衛生が含まれるのである。というのは、「新型コロナウイルス感染症と社会保障」をテーマに掲げる厚生労働白書(令和3年版、7月30日閣議報告)を読んで違和感を感じたからである。 テーマを扱う第1部は、いきなり「新型コロナウイルス感染症を契機に国民生活はどう変わったか」で始まる。「

令和2年度診療報酬改定の経過措置の取扱いを今年度末まで再延長(9月15日)

中医協総会は9月15日、9月30日まで経過措置期間を延長していた令和2年度診療報酬改定の項目について、新型コロナの影響が想定される医療機関に限っては、今年度末まで再延長することを決めた。対象となる医療機関は、①新型コロナ患者受入重点医療機関②協力医療機関③コロナ患者受入病床を割り当てられた医療機関とした。 経過措置には、「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の引上げや回復期リハビリテーション料における実績指数の水準引上げ、地域包括ケア病棟入院料等における診療実績の水準

医師労働時短計画の5段階評価を取りやめ(9月15日)

厚労省の医師の働き方改革の推進に関する検討会は9月15日、医師の時間外労働規制の特例を受ける病院が策定する義務のある医師労働時間短縮計画の進捗の評価について、当初の案の5段階評価(S、A~D)を行わないことを決めた。優劣をつけるような方法では、評価項目に対する誤解をもたらし、病院の不利益になりかねないとの指摘を踏まえた。 新たな方法では、①法令規定事項②労働時間短縮に向けた取組み③労働時間の実績をそれぞれ評価し、定型的な文章を組み合わせて、全体評価として記載する。計画の見

次期改定に向けた第1ラウンドの議論の概要を整理(9月15日)

厚労省は9月15日の中医協総会に、令和4年度診療報酬改定に向けた第1ラウンドの議論の概要を報告した。各項目の論点に対し、委員から出された意見を併記する形となっている。次回以降に第2ラウンドの議論に入り、次期改定に向けた議論が本格化する。 第1ラウンドは7月から、コロナ・感染症、外来、調剤、個別事項、歯科、在宅、入院の順番で議論を行った。個別事項は、「働き方改革の推進」「不妊治療の保険適用」「医薬品の適切な使用の促進」「歯科用貴金属の随時改定」となっている。 コロナ・感