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新しい年金時代

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#望月厚子

#10 繰下げ受給の予定を取り消して65歳からの年金をさかのぼって受けられる?

Мさんは、今月65歳になりましたが、日本年金機構から届いた書類を前に繰下げ受給しようかどうか悩む日々が続いているそうです。 Мさんのように60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受けている人が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わって、新たに「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を受給することになります。 この場合、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金の受け取り方を選択し、期日までに書類を提出(送付)することになっています。 今回は、65歳からの年金の受け取り方につい

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#8 社長の報酬が高く年金が支給停止に。対策は? 会社役員の給与を下げる場合のタイムスケジュール

「報酬が高いと年金がもらえないと聞いたので、年金の手続きはしていない」、「役員報酬を引き下げれば年金をもらえるだろうか」と経営者の方からご相談されることがあります。 実際に経営者や会社役員の方で役員報酬が高額なため、年金を受け取れないと思い、請求手続きをされていない方もいらっしゃいます。 今回は、経営者の年金受給についてご説明しましょう。 在職老齢年金についての誤解 「報酬が高いと年金がもらえない」とよく言われていますが、在職老齢年金制度についての誤解がとても多いと思いま

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#7 退職前に未消化の有給休暇があったらどうなる?どうする?

「退職までに残ってしまった有給休暇はどうなるのかしら?」と疑問に思われる方は多いようです。場合によっては、「会社が有給休暇を買い上げてくれると聞いたのですが?」とおっしゃる方もいます。 今回は、未消化の有給休暇の取り扱いについてご説明しましょう。 有給休暇とは 年次有給休暇(以下「有給休暇」という)は、労働基準法で定められている休暇のことで、正社員、パートタイマー、アルバイトなど雇用形態を問わず、雇い入れ時から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤している労働者に対して

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#6 退職日によって損得あり?~退職日が月末か?それ以前か?で1月変わる厚生年金保険・健康保険の加入期間

「退職予定です。社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料はいつまで支払うのですか?」、「退職日によって損得ってあるのでしょうか?」とご質問される方がいらっしゃいます。 社会保険(厚生年金保険・健康保険)の保険料は、毎月の給与から控除され、会社は、会社負担分と本人負担分を併せて納付することになっています。 退職のタイミングによっては、1か月分の社会保険料の控除になるか、2か月分の控除になるか異なります。 今回は、退職時の厚生年金保険と健康保険について、ご説明しましょう。 月

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#5 定年退職前後にやることチェックリスト

定年退職前後に行う手続きには、公的年金、健康保険、雇用保険、税金などさまざまなものがあります。 そこで、事前に定年退職前後の手続きをリスト化しておくと、スムーズに手続きをすることができます。 今回は、定年退職前後にやることチェックリストについてご説明しましょう。 手続きは、公的年金等、健康保険、雇用保険、税金に区分し、それぞれ「在職中」、「退職時」、「退職以降」の3つの時期に分けてチェックリストにまとめていきます。 在職中にやることまず、在職中は、定年退職後の生活設計を立て

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#4 企業年金のもらい忘れに注意!

年金相談にいらしたNさんに「請求されていない厚生年金基金の年金があります。年金額は、年10万円ほどです」と説明したところ、「そうなんですか。心当たりがないんですけど…。」と首をかしげていらっしゃいました。 本来なら年金が増えるので良かったというべきところでしょうが、本当にもらえるのかしら?と疑問に思っているようでした。 今回は、企業年金のもらい忘れについてご説明しましょう。 企業年金に加入している?していない? 日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入

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#3 亡くなってからでは遅いかも?遺族年金の見込額を知ってリスクに備えよう!

ライフプランを立てる上で、自分と配偶者の公的年金の額を知っておくことは大切なことです。  家計の見直し相談の際、「公的保障である遺族年金の額を確認されてから、生命保険に加入しましたか?」と質問しています。  ところが、相談者からは、「遺族年金?どうしてですか?」と聞き返されることがあります。  万一のリスクに備えて生命保険に加入することは大事なことですが、家計の支出の中でも保険料の占める割合が大きいこともあります。  一般的には、公的保障である遺族年金でカバーできない部分につ

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#1 マイナンバーでここまで簡単になった年金手続き

「マイナンバーってどんな時に使うんだろう?」と思っている人もいらっしゃることでしょう。 令和元年7月1日から年金給付関係の各種届出・申請について、マイナンバーを利用した運用(情報連携)が本格化しました。 年金給付関係でマイナンバーを利用できるメリットは、年金の請求や各種届出手続きの際、添付書類が省略できるという点です。 今回は、マイナンバーを利用することで簡単になった年金手続きについて、老齢年金の請求手続きを中心にご説明しましょう。 マイナンバーを利用すると省略できる添付書

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#8 65歳以降も働いた場合の年金と雇用保険は?知っておきたい年金・雇用保険のポイント

現在、企業には、65歳までの雇用が義務付けられています。令和3年4月からは、70歳までの人についても雇用や就業機会の確保が努力義務化されました。このため、65歳以降も働き続ける人が増えています。65歳を境にして年金や雇用保険の給付が一部変わります。今回は65歳以降の年金と雇用保険についてご説明しましょう。 65歳時の繰下げ受給の選択 特別支給の老齢厚生年金を受給している人が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わり、新たに「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を受給

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#7 遺族年金の基本と注意点-会社員だった人が亡くなった場合の遺族年金

遺族年金は、国民年金や厚生年金保険の被保険者や、被保険者であった人などが亡くなったときに、その人に生計を維持されていた遺族に対して支給されます。 遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がありますが、どの制度から遺族年金が支給されるかは、亡くなった人が加入していた年金制度や遺族(配偶者、子、父母など)の範囲などで決まる仕組みです。 なお、遺族基礎年金は、受け取れる遺族が「子のある配偶者」または「子」に限られますので、今回は、遺族厚生年金を中心にご説明しましょう。 ※本

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#6 障害年金の基本と注意点-会社員の障害年金

障害年金は、病気やけがが原因で障害の状態になった場合に、生活を支えるものとして支給されます。 障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。どの制度から障害年金が支給されるかは、「初診日」においてどの年金制度に加入していたかということで決まります。 会社員の障害年金は厚生年金加入中に初診日がある障害に支給される 初診日とは、その障害の原因となった傷病で初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。初診日に自営業者(第1号被保険者)の人や専業主婦(

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#5 繰下げ受給の改正と注意点(令和5年4月実施)70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度

令和5年4月から「5年前みなし繰下げ制度」がスタート。この制度は、繰下げ待機中の人が70歳以降に年金を請求する際、繰下げ受給を選択しない場合に5年前に請求があったものと「みなして」増額した年金が受け取れるといるものです。 年金受給には時効がある 老齢年金の受給権は、原則65歳で発生しますが、繰下げ受給制度により、受給開始年齢を66歳以降75歳(昭和27年4月1日以前生まれの人は70歳)の間で選択することができます。ただし、年金を受ける権利は、権利が発生してから5年を経過し

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#4 改正後の繰上げ・繰下げ受給制度のポイントは?(令和4年4月1日実施)

令和4年4月1日に老齢年金の繰上げ・繰下げ受給制度の改正が行われます。 本来、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は65歳から受け取ることができますが、ご自身の希望により受給開始時期を早めたり(繰上げ)、遅らせたり(繰下げ)することができます。 改正後の繰上げ・繰下げ受給制度のポイントについて見ていきましょう。 繰下げ受給の上限年齢は75歳に 繰下げ受給とは、本来65歳から受給する老齢年金を66歳から70歳までに遅らせて受け取り始めることです。受給開始を1ヵ月繰り下げる

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#1 繰上げ受給の改正と注意点(令和4年4月実施)

老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、希望すれば、本来の支給開始年齢である65歳よりも早い時期に受け取り始めることができます。これを「繰上げ受給」といいます。 ただし、繰上げ受給の請求をした時点で、将来にわたって年金額が減額されます。令和4年4月1日から老齢年金の繰上げ受給の減額率が緩和され、1ヵ月当たり0.5%から0.4%に引き下げられました。 改正の内容や繰上げ受給を利用する際の注意点について見ていきましょう。 繰上げ減額率は1ヵ月当たり0.4%に 繰上げ受給をす

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