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新しい年金時代

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2023年3月の記事一覧

三宅社労士の年金実務セミナー|#12 令和5年度の年金額は新規裁定者と既裁定者の区別に注意(67歳は要注意)

令和5年度の年金額は賃金(名目手取り賃金変動率)と物価(物価変動率)の両方が上昇したためにプラス改定されます。また、賃金の上昇率は2.8%、物価の上昇率は2.5%であったために、新規裁定者と既裁定者で改定率が異なります。 マクロ経済スライドが実施されるために、実際の改定率は新規裁定者が2.2%のプラス改定になり、既裁定者が1.9%のプラス改定になります。 新規裁定者とは67歳以下の人、既裁定者は68歳以上の人、という区分けがされていますが、実際には、68歳の誕生日で切り替わ

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数理の目レトロスペクティブ|#19 給付の水準と制度分立

 わが国の公的年金制度は、1985年当時、10の制度に分かれ、就く職業により適用される制度が異なっていた。その後、徐々に統合が進んできたが、まだ完全ではなく、制度分立が継続している。そもそもなぜこのように多くの制度が分立し、職業で適用される制度が異なるようになったかという点は、おおむね4つの流れがある。  第1の流れは、明治政府が官吏恩給制度を導入したことである。これは一定年限公務に就いて退職した官吏や軍人に対する国の恩恵的給与という側面を持っていたが、やがて非官吏の公務員

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遺族年金のしくみと手続~詳細版|#21 夫死亡による遺族厚生年金の受給者は本妻か内縁妻か

今回は、戸籍上の妻と内縁の妻の両方が遺族厚生年金を請求しているケースです。比較的よく見られるケースと言えますので、この機会に重婚的内縁関係における遺族年金の支給決定について、判断ポイントを確認しておきましょう。 内縁の妻が遺族年金を受給する条件とは 老齢厚生年金の受給権者であったA男さんには、戸籍上の届出のある妻B美さんがいます。しかし、内縁の妻であるというC子さんが、A男さんが死亡したとのことで遺族厚生年金の請求のために来所されました。 老齢厚生年金の受給権者が死亡し

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#18 公的年金制度の一元化

 今回からしばらくは公的年金一元化の課題を取り上げてみよう。  わが国に国民皆年金の枠組みが導入されたのは、国民年金制度が導入された1961年であった。国民皆保険の実現と並んで、社会保険制度が整備されていく大きな一歩であった。  この結果、1960年代には国民は国民年金、厚生年金、船員保険のほか7つの共済組合のいずれかに加入することとなったわけであるが、給付内容や保険料の負担が制度ごとに大きく異なるという問題点があった。  民間被用者に適用される厚生年金と公務員グループに適

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#17 外国に初診日がある場合

 傷病が発生した時に必ずしも日本国内に居るとは限りません。例えば海外旅行中に突然傷病が発生し、その後障害状態になることもあります。このような場合であっても、日本の国民年金や厚生年金に加入中であれば、障害年金の請求は可能となります。  しかし、当然、初診証明等は外国の医療機関ということになりますので、日本国内に初診日がある場合とは少々勝手が異なります。今回は、海外で突然傷病に襲われ、その後障害状態になった方の障害年金請求事例を検証します。 1.初診日及び障害認定日の特定 高

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