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年金時代(無料版)

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年金・雇用労働関連のニュースや連載記事を掲載している無料マガジンです。
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#労働

マニュアルシートを使って相談・説明を効率よく、効果的に!

令和6年度版「年金マニュアルシート」「障害年金マニュアルシート」「遺族年金マニュアルシート」(社会保険研究所から令和6年3月発売)は、年金業務に携わる実務者の方が、これから年金を受給する方に対して、制度や年金の受け取り方、請求手続などを効率よく、効果的に説明するためのシートです。限られた時間でお客様がお求めになっている疑問や不安に確実にお応えするためのツールとして、お使いください。 年金マニュアルシート目次(年金マニュアルシートの掲載内容) 1   何年加入したら受けられる

#50|SNSと採用トラブル ~過去のSNSの投稿を理由に内定取消はできない!?~

誰もが情報発信できる時代 日本国内におけるSNSの利用者数は約1億200万人、個人のスマートフォン保有率は77.3%と言われ、その数は年々増加しています。 今や、子どもから高齢者まで誰もが手軽に情報を発信できる時代であることは、言うまでもありません。世界中の人と繋がり、昔なら入手困難だった情報も一瞬で手に入るなど、便利な面も多い一方、その手軽さ故にトラブルも数多く発生しています。 つい先日も、大学生が旅館の天井を破る様子等をSNSに投稿し、大きな問題となりました。テレ

#49|個別労働紛争 ~適切な対処をするために押さえておくべき基本的なポイント~

個別労働紛争とは 労働者=従業員と、使用者=会社との、労働条件や職場環境に関する争いのことを広く労使紛争といいますが、そのうち、個々の労働者と使用者との争いを「個別労働紛争」といいます。 個別労働紛争には、労働組合と事業主の間の紛争や、労働者と労働者の間の紛争等は入りません。 また、個別労働紛争は、あくまでも民事的な紛争であり、取締法規である労働基準法等の違反に係るものは除かれます。 2001年(平成13年)、企業組織の再編や人事労務管理の個別化等に伴い、労働関係に関す

働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用在り方懇談会が初会合

厚生労働省は2月13日、働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会の初会合を開いた。被用者保険(厚生年金保険・健康保険)のさらなる適用拡大に向けて、関係団体等へのヒアリングなどを実施しながら今後の対応を検討し、今夏までに意見をまとめて社会保障審議会年金部会に報告する。 座長には、年金部会の部会長も務める菊池馨実氏が就いた。 検討事項には、短時間労働者および個人事業所(非適用業種)に対する適用拡大と、複数の事業所で勤務する者やフリーランス・ギグワーカーなど

#48|高年齢者再雇用におけるトラブル防止~継続雇用規程、労働条件通知書を整備する~

はじめに 令和3(2021)年4月1日より施行された改正高年齢者雇用安定法では、従来の65歳までの雇用確保措置義務に加え、70歳までの就業確保措置の努力義務が企業に求められるようになりました。 「人生100年時代」を近い将来迎える今、企業には、働きたい人が働くことができる仕組みが一層求められます。 本稿では、65歳までの雇用確保措置にフォーカスし、制度の仕組み、落とし穴、法律上の注意点、効果的な規程の整備についてお伝えします。 高年齢者雇用安定法で定められていること 定

#47|スメハラ ~注意しにくい職場の「におい」と向き合う方法~

すっかり市民権を得た「スメハラ」という概念 においで他人に不快感を与えることをあらわす「スメルハラスメント」、 略して「スメハラ」という言葉は、すっかり社会に定着しています。 新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して以来、次第にマスクを着用しない人が増え、ソーシャルディスタンス等の防止措置も緩和されています。これにより、数年間気づかなかった他人のにおいが気になるようになったという人も多いのではないでしょうか。 今回は、職場でのスメハラとどのように向き合うべきか、お話

雇用保険の適用拡大や育児休業給付率引き上げへ―厚労省が雇用保険部会報告の素案示す

厚生労働省は12月13日、雇用保険部会報告の素案を労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会に示した。政府のこども未来戦略方針などで求められていた政策の方向性を給付面から具体化するほか、リスキリングへの対応や労働移動の促進を後押しする。同省は年内を目途に報告書をまとめ、年明けの通常国会において改正法案の提出をめざす。 雇用保険の適用拡大は週所定10時間以上まで対象に 雇用保険の適用は、週所定労働時間10時間以上の労働者まで拡大する。同省の推計では、最大で約481万人が新規に

#46|早めに準備を! 労働条件明示事項及び有期雇用・無期転換ルールの改正(2024年4月)

「労働基準法施行規則」と「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の改正に伴い、2024年(令和6年)4月1日から労働条件の明示事項等が変更されることになりました。 そもそも使用者は、労働者と労働契約を結ぶ際、労働条件を明示しなければならない(労働基準法第15条)とされており、多くの企業に関係してくる改正です。今のうちにチェックし、準備をしておきましょう。 以下、変更点と注意点について、解説していきます。 そもそも労働条件の明示について【現状の確認】 まず、現状

雇用保険の適用拡大を労政審がおおむね了承―今後は適用基準とされる週所定労働時間が論点

厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は11月22日、これまで適用対象とされていなかった週所定労働時間20時間未満の労働者に対し、雇用保険の適用を拡大する方針をおおむね了承した。 週10時間以上までの適用拡大で最大500万人が新規適用 今後は、適用基準とする週所定労働時間をどこまで引き下げるかが論点だ。 週20時間未満で就労する労働者は直近(2022年)で約718万人いるが、週10時間以上まで適用拡大した場合は最大で約500万人、週15時間以上まで適用拡大し

#45|年収の壁、突破への道筋は会社主導で

年末の足音が近付いてきた今日この頃、カフェでアルバイトしている大学生の娘に、夫が「今年は年収どれくらい? 扶養の範囲超えていないよね」と確認しています。大学生は勉強するのが本業ですから、親としては扶養の範囲内でアルバイトするのが当然とも考えます。では、企業で働くパートタイマー等はどうでしょうか。 最近、「106万円の壁」「130万円の壁」という言葉を、頻繁に新聞やテレビのニュースでも耳にするようになりました。これは、岸田内閣が「年収の壁」対策を打ち出し、扶養を意識して働く

「年収の壁」の当面の対応策とされる「社会保険適用促進手当」とは―厚生労働省Q&A公表

厚生労働省は10月20日、標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮されない「社会保険適用促進手当」のQ&Aを公表した。 厚生労働省10月20日公表、社会保険適用促進手当に関するQ&A 社会保険適用促進手当は、短時間労働者が社会保険に適用され、新たに保険料負担が発生することに伴う手取り収入の減少を敬遠し、就業調整を行うといったいわゆる「年収の壁」を打破するため、政府が実施した当面の対応策の1つで、本人の保険料負担分を上限に保険料算定から除外される手当として事業主が支給できる。最

厚労省が「年収の壁」支援強化パッケージを公表―10月1日から実施

厚生労働省は9月27日、いわゆる「年収の壁」の支援強化パッケージを公表し、「106万円の壁」「130万円の壁」への当面の対応策を示した。 厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ 年金制度の改正が予定される令和7年度までの措置として、令和5年10月から実施していく。このほか、収入要件がある配偶者手当を規定している企業に見直しを促すよう周知を強化する方針も示した。 いわゆる「年収の壁」とは、就労している第3号被保険者のうち、収入増に伴い第1号被保険者または第2号被保険者に

「106万円の壁」の当面の対応策となるキャリアアップ助成金の新コース―省令改正を労政審が答申

厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会は10月12日、キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設する雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について、おおむね妥当と認めた。 いわゆる「年収の壁」の支援強化パッケージの「106万円の壁」への当面の対応策とされるもので、その概要は9月27日に公表されていた。省令改正を行う予定とされ、労政審が追認したかたち。 省令は公布日から施行され、令和5年10月1日に遡って適用する。令和7年度末までの時限措置となる

技能実習制度廃止後の新制度で有識者会議が最終報告書のたたき台示す

法務省・出入国在留管理庁は10月18日、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議を開催し、技能実習制度廃止後の新制度を提言する最終報告書のたたき台を示した。 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第12回) 目的は人材確保と人材育成、一定の要件のもと転籍を容認 新たな制度では、開発途上国への技能移転を通じた国際貢献という技能実習制度の名目を撤回し、人手不足の分野に未熟練労働者として受け入れた外国人を3年間の就労で「特定技能1号」レベルの技