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国立大学病院の令和5年度収支は▲302億円(10月13日)

国立大学病院長会議は13日の会見で、国立大学病院の令和5年度収支見込みを発表した。300億円を超えるマイナス収支を見込んでいる。

令和5年度は急激な物価・エネルギー価格高騰の影響とコロナ補助金の縮減から全国42大学病院の平均で▲302億円の収支となり、収支のマイナスを見込んでいる大学病院は33病院、▲318億円となった(下図)。

国立大学病院の令和5年度収支見込み
出所:国立大学病院長会議記者会見資料(2023年10月13日)

横手幸太郎会長は「物価、光熱費、医療材料が高騰している。特に医薬品の価格が非常に高くなっている。コロナ禍ではコロナ補助金が赤字を隠していた面があった。コロナ補助金が縮減された後は非常に苦しい状況に陥っている」と述べた。

光熱水費、医療費、人件費、食事療養費について令和元年度と比較して令和5年度をみると、光熱水費は163億円増、高額医薬品などの医療費は955億円増、医師の働き方改革に伴う増加など人件費は427億円増となった。

平成29年度に比べた令和5年度の食事療養費は、収支が11.9億円悪化した(下図)。食費や人件費が増えたことや、食事療養費が約20年間にわたり適正な見直しが行われていないことを原因として指摘した。

食事療養費収支額
出所:国立大学病院長会議記者会見資料(2023年10月13日)

令和6年度の見通しについて横手会長は、「さらに人件費や物価が増え、働き方改革があることで、いつ診療がストップしてもおかしくない状況に来ている」と訴えた。


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