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業務範囲の明確化や経験・処遇のバランス確保を――第1回ケアマネ検討会を開催(2024年4月15日)

厚生労働省は4月15日、「第1回ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」を開催した。

この検討会は、令和4年12月20日に社会保障審議会介護保険部会が取りまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」を踏まえ、ケアマネジメントの質の向上および人材確保に向けた制度的・実務的な論点について包括的に検討を行うもの。

互選により埼玉県立大学の田中滋理事長が座長が選任され、ケアマネジャーの業務の在り方や人材確保・定着に向けた方策などについて議論した。

第1回では「ケアマネジメントに係る現状・課題」について、次の4つの観点から、構成員より意見が寄せられた。

  1. ケアマネジャーの業務の在り方について

  2. 人材確保・定着に向けた方策について

  3. 法定研修の在り方について

  4. ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みの促進

業務の在り方については、多数の構成員から、業務範囲の明確化や他の専門職との役割分担の必要性が示唆された。

生駒市特命監の田中明美構成員は、「業務については基本的には運営基準に基づいた対応が理想」とし、連携や調整などの間接支援と直接の相談支援に重きを置いて活動できるよう支援する必要性を訴えた。

人材確保・定着においては、介護支援専門員の処遇にも焦点が寄せられた。
日本介護クラフトユニオンの村上久美子参考人は、介護職員への処遇改善などの結果、「経験を積んだ介護職員がケアマネジャーになると賃金が下がるケースがほとんど」とし、資格取得に必要とされる経験と処遇のバランスが取れていないと訴えた。
これについて、認知症の人と家族の会の花俣ふみ代構成員はケアマネジャーの賃金に関するデータの提出を求め、事務局より次回提出される旨が確認された。

法定研修に関しては、受講者の負担軽減や研修カリキュラムの標準化などの必要性が指摘された。

日本医師会の江澤和彦構成員は、「国で標準的な研修教材を動画で作成し、それを視聴することで現行の研修受講とみなす仕組みも考えられる」とし、その上で地域特性に応じた研修を上乗せするやり方を提案した。


次回の第2回検討会は5月9日に開催。

「ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みの促進」について引き続き議論を行うとともに、多様なサービスの担い手として期待される団体などよりヒアリングを実施し、今後の議論の参考とする予定となっている。

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