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中医協が認知症やせん妄対応、精神医療を議論(11月20日)

中医協は11月20日の総会で、認知症やせん妄対応、精神医療をテーマに議論を行った。認知症やせん妄対応については、認知症ケア加算1で、認知症ケアチームの要件である専任の常勤医師の確保が困難との意見が多いことを踏まえ、要件を緩和する。

認知症ケア加算2は、認知症ケアチームの設置は難しいとしても、専門性の高い看護師の配置の要件を追加した評価を設ける。せん妄は、適切な予防の取組みを推進するため、介入のタイミングや内容に関して、標準的な取組みを行う体制を新たに評価する。

依存症については、ギャンブル依存症に効果的な集団療法のプログラムが開発されたことを踏まえ、診療報酬での評価が課題となった。しかし、支払側の委員は「時期尚早」と難色を示した。

明細書の無料発行については、電子レセプト未対応の医療機関はまだ義務化されていないなど、完全実施されていない。支払側は「無料発行開始から10年の節目であり、完全実施すべき」と主張。診療側は「医師が高齢で患者数が少ないなど対応にコストがかかる医療機関がある」と説明し、慎重な対応を求めた。

統合失調症患者の治療薬として効果の高いクロザピンは、日本で普及していないため、2018年度改定で特定入院料からクロザピンの薬剤料を包括範囲から除外した。しかし、現状でもあまり普及していない。

このため、専門的な管理が必要であることを踏まえ、急性期治療病棟入院料での対応を検討する。また、児童・思春期精神科入院医療管理料でもクロザピンの薬剤料を包括範囲から外す。

一方、持続性抗精神病注射製剤(LAI)も日本での処方率が低く、普及を促す対応を図る。LAIは経口ではなく、2~4週間に一度の注射で済む。治療脱落率や再入院率が低いとされ、持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料で、LAIの薬剤料を包括から除外することを検討する。  

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