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適用拡大の広報についてアドバイザー会議を新設――年金広報検討会

厚生労働省の年金広報検討会(座長=上田憲一郎・帝京大学経済学部経営学科教授)は8月9日、被用者保険の適用拡大や若年者向けの年金広報などについて審議した。2024年10月から従業員数が50人を超える企業等に被用者保険の適用範囲が拡大されるが、政府の全世代型社会保障構築会議が取りまとめた報告書では、いわゆる「就業調整」の問題に対する好事例を集約し、具体的なメリットを広報コンテンツやその活用法について検討することが盛り込まれている。そのため、「被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議」を設置し、①適用拡大に関する企業の好事例を収集するためのアンケートの設計②適用拡大に関する企業へのアンケート結果の分析方法③②を踏まえた効果的な広報コンテンツの制作方法――などについて今年9月ごろから検討を行うことが報告された。委員からは、「アドバイザー会議には労務管理について詳しい人に入ってほしい」という要望や、「従業員数が50人超規模の企業は100人超規模の企業よりもだいぶイメージが異なるため、実際の企業をよく把握してからどのようなものが用意できるのか考えたほうが良い」といった指摘があった。

若年者向けの年金広報として、学生と厚労省職員が年金をテーマに語り合う「学生との年金対話集会」を令和5年度も実施しているが、公的年金だけでなく私的年金やライフプランも含めた広報を要請する意見が企業年金・個人年金部会などからも出されていることから、厚労省は公的年金と私的年金についてのパイロット授業を実施した。令和5年度中に、年金教育特設サイトや学生用ワークシート、教員用の授業台本といった中学校と高等学校の家庭科、総合学習におけるライフプランと年金に関する新機軸の教育教材を開発する予定だ。

第18回年金広報検討会資料

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