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薬剤師の養成のあり方や資質向上を議論する厚労省の検討会がスタート(7月10日)

厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」(西島正弘座長・薬学教育評価機構理事長)は7月10日、初会合を開いた。薬剤師の養成数や資質向上のための取り組み、今後の薬剤師の業務、必要な研究能力などについて議論していく。

薬学教育の6年制が平成18年に始まって以降、薬剤師に求められる役割や業務内容が変化している。鎌田光明医薬・生活衛生局長は、「薬剤師を取り巻く環境は大きく変わった。昨年12月に公布された改正薬機法では、薬剤師が医師などと連携しながら専門性を発揮し、これまで以上に薬事業務を地域住民に提供できるよう、役割の強化と薬局の認定制度の導入を行うこととなった」と説明。人口減少や地域包括ケアシステムへの対応も考慮したうえで、今後の薬剤師のあり方について議論することを求めた。

厚労省は今年度内に、2045年度までの薬剤師の需給推計を行うための調査を実施する。

薬剤師の入学定員の削減求める声

意見交換では、薬学部の入学定員に関する意見が多数あがった。

令和元年時点で薬学部は全国で75学部、入学定員は1万2935人。私立大学の薬学部の37%は入学定員充足率が90%以下。国家試験の合格率は、6年制過程では69.6%。私立大学の平成26年入学者のうち、6年で国試に合格できたのは57.8%にとどまる。

日本薬剤師会の安倍好弘委員は、入学定員割れや留年者を抱える薬学部が多いことから、「若年人口が減少することも考え、入学定員の適正化を検討すべき」と主張した。

日本病院薬剤師会の武田泰生委員も定員削減の方向に同意。他方で、「病院薬剤師は不足している。薬局で薬剤師がどのくらい必要なのか精査してほしい」と求めた。  

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前厚生労働省 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長 磯部 総一郎
元厚生労働省医政局経済課長 城 克文
前厚生労働省 政策参与 武田 俊彦

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