暗証番号なしマイナ保険証を11月から発行 目視モードでの本人確認も活用(2023年8月7日)
政府は令和5年11月より、暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードの申請受付・交付を開始する。これに伴い厚労省は8月7日、マイナンバーカード保険証を医療機関や薬局で受け付ける際の現時点での留意点を関係医療団体等に事務連絡した。
マイナンバーカードの保険証利用に関しては、デジタル庁「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会中間とりまとめ」の中間とりまとめ(2月17日)において、「施設等が本人に代わって入所者のマイナンバーカードを管理することに不安の声」が指摘され、「暗証番号の設定に困難を抱える申請者に対しては、顔認証による使用を前提としつつ、代理人に不要な負荷をかけないためにも、暗証番号の取扱いについて検討する」こととされていた。
政府はこれらへの対応として、令和5年11月から、暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードの申請受付・交付の開始を予定している。
暗証番号なしマイナンバーカードの利用者の本人確認は顔認証が基本となることから、政府は各カードリーダーのメーカーに対応を要請。8月以降順次、必要な顔認証の精度向上を見込んでいる。
顔認証の入力が難しい場合、目視モードで本人確認
一方厚労省保険局は8月7日、事務連絡「暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードへの医療機関・薬局での対応について(周知)」を関係医療団体等に発出し、現時点での留意事項を知らせた。
暗証番号なしマイナンバーカードによる医療機関・薬局での受診時等においては、暗証番号による本人確認ができないため、本人確認の方法として、顔認証を行うことが基本となる。
しかし、顔認証の入力が難しい場合には、医療機関・薬局の受付職員が、オンライン資格確認の「目視モード」を立ち上げ、マイナンバーカードに記録されている顔写真と一致する本人であることを目視で確認することにより、オンライン資格確認が可能となる。
待合スペース等にいる本人の顔とマイナンバーカードの写真を職員が目視で確認する本人確認も可能だが、薬局において、代理の人が薬剤を受け取りに来るなど、本人が不在の場合は目視での確認はできないため、処方箋または資格確認書での資格確認が必要となる。
また、マイナンバーカードによるオン資確認ができない場合で、健康保険証を持参していない場合は、患者に、「マイナンバーカードの券面情報(氏名、生年月日、性別、住所)」「連絡先」「保険者等に関する事項(加入医療保険種別、保険者等名称、事業所名)」「一部負担金割合」等を書いてもらう「被保険者資格申立書」を提出してもらう取扱いとなる。
厚労省保険局では円滑な受診等ができるようさらに対応策を検討しており、詳細を追って公表するとしている。