医師の働き方改革「勤怠管理と診療体制の見直しが課題」(7月11日)
国立大学病院長会義の山本修一会長(千葉大学医学部付属病院院長)は7月11日のプレスセミナーで、国立大学病院における医師の働き方改革について見解を示した。今後の課題として勤怠管理と診療体制の見直しをあげた。
山本会長は、「業務が複雑に入り組んでいる大学病院で、勤怠管理にどのように取り組むか。まだ結論は出ていないが、診療・研究・教育を分けて管理できる仕組みを早急につくりたい」と述べた。
また、「もう一つ重要なことは、長い歴史のなかで慣習化している診療体制がある。この機会にそれぞれの大学病院、診療科において、どう効率化できるかを真剣に考えていくべきだ」と述べた。
一方、同セミナーでは、6月20日と21日に開かれた総会の内容を報告。総会では医師の働き方改革をテーマにグループディスカッションを行い、労働時間管理の適正化と医療機関内のマネジメント改革の必要性が指摘された。
労働時間管理の適正化では、◇大学病院勤務医の特殊性を考慮する必要があり、自己研鑽と労働の区別の難しさが課題◇今以上に厳正な勤務時間管理を行うには、事務作業の増大やICTを活用した勤怠管理システムの導入のための財源確保が不可欠◇国立大学病院間で協力し、労働時間の管理の標準化の推進が必要―などの意見がでた。
マネジメント改革では、「タスクシフティングを推進するには、人員確保が課題」「特定行為研修終了看護師の位置づけ、待遇、キャリアパスの検討が必要」などがあがった。