日医が調剤薬局の経営分析「打撃少なく、財源配分の見直しも」(8月26日)
日本医師会の松本吉郎常任理事は8月26日の会見で、4~6月の調剤薬局等の経営状況の分析を発表した。医科に比べて調剤薬局等は経営的な打撃が少ないとし、次期診療報酬改定での医科・調剤の財源配分の見直しも必要との認識を示した。
調剤薬局大手の日本調剤、ドラッグストアのウエルシアやスギなどの調剤関連事業の売上高(調剤報酬と薬剤料)が前年同期比プラスであったことを指摘した。主要因としてM&Aや新規出店、長期処方とともに、2020年度調剤報酬プラス改定も一部寄与していることをあげた。
一方、4~6月の医科病院・診療所の医業収入対前年同期比は▲10%かそれ以下であることを示し、「医科病院・診療所の経営が著しく厳しいことがより明らかになった。改めて、国に対して経営支援を要請したい」と述べた。
長期処方の影響については、「1年を通して見る必要があるが、仮に医科、調剤の差がこのまま推移すれば次期診療報酬改定で配分の見直しも必要であると考える」と述べた。
今回の分析について中川俊男会長は、「4~6月にあえて注目した。医科の医療機関は大幅に減収しており、ここで取り上げた調剤薬局等は打撃が非常に少ないと思う。調剤医療費は打撃が少ない構造になっており、医科・歯科・調剤の診療報酬のあり方は公平でなければいけないと思う。日医は一貫して、財源の配分が医科・歯科・調剤は1対1.1対0.3のままでいいのかとの問題提起をしている」と述べた。