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日医会長選へ横倉会長が決意「継続的に国難にあたる」(6月10日)

日本医師会の横倉義武会長は6月10日、都内で会見を開き、27日に予定されている日医の会長選挙に向けて決意表明を行った。

横倉会長は1日、福岡市で次期会長選の出馬表明を行った。今回は副会長候補の今村聡・日医副会長、柵木充明・愛知県医師会会長、茂松茂人・大阪府医師会会長の3氏とともに会見した。

横倉会長は、会長選に立候補した理由について「私が選挙に出ることに一番逡巡したのは、(新型コロナウイルス感染症が流行している)今の時期に会長選挙を行うべきではないのではないかという点だった。しかし、それよりも新型コロナの解決にあたっては会長が変わる時期ではないということがより大きな判断基準であるとの結論に達した。ここを乗り切り、次の予想されるパンデミックに備え、新たな社会のあり方を提言することが日医の使命である。その使命を十分に果たすためには、私が引き続きこの問題に取り組んでいかなければならないと確信した。ここで会長が代わるロスを排除し、継続的に国難に当たることが現在の日医会長としての私の使命である」と訴えた。

立候補にあたっての公約としては、「継続と改革~新興感染症収束と地域医療再興に臨む~」を掲げた。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止への対応では、①臨床現場を支えている医療機関を守る②臨床現場にエビデンスに基づく知見を届ける③コロナ過時に求められる社会のあり方への提言を作成する―の3つの項目をあげた。このうち、提言については「素案はできている。これを発表し修正しながら、中味は日医としてできることを進めていく」と述べた。

コロナ後の対応としては、①かかりつけ医を中心とした健康な「まちづくり」②医療政策をリードし続ける医師代表としての「組織づくり」③将来の医療ビジョンを見据えた強固な医療体制と「人づくり」-の3つの基本方針を掲げ、「Action」「Balance」「Challenge」の3つの基本姿勢で臨む考えを示した。

会見では、副会長候補3名と常任理事候補10名が発表された。

今村副会長は、会長選に立候補している中川俊男副会長のキャビネットにも名前があがっていることについて「横倉会長が立候補しないという話の時点で、中川氏から少し話があったことは事実だ。しかし、会長が立候補を決断し、私が手伝うことになった後はそうした話はいただいてなかったので、メディアを通じて中川陣営のキャビネットを見て大変驚いたのが正直な気持ちである。私への指名は光栄だが、自分の意思で両方に手をあげていると思われるかもしれないが、そういう経緯ではない」と述べた。

常任理事候補は、新たに元東京都医師会副会長の近藤太郎氏(東京)を推薦した。他の候補はいずれも現職で、羽鳥裕氏(神奈川)、道永麻里氏(東京)、釜萢敏氏(群馬)、小玉弘之氏(秋田)、松本吉郎氏(埼玉)、城守国斗氏(京都)、平川俊夫氏(福岡)、長島公之氏(栃木)、江澤和彦氏(岡山)となった。  

   

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