認知症基本法が公布 認知症施策を総合的・計画的に推進(2023年6月16日)
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が6月16日、公布された。認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的にしている。1年以内に施行される。
同法は14日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。議員立法の同法は各会派で協議し、衆院厚生労働委員長の三ツ林裕己氏が提出したもの。
基本理念では、「すべての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活および社会生活を営むことができるようにすること」を掲げている。
政府には、認知症施策を実施するため必要な法制上・財政上の措置や、認知症施策の総合的・計画的な推進を図るための「認知症施策推進基本計画」の策定を求めた。内閣に内閣総理大臣を本部長とする「認知症施策推進本部」を設置するとともに、本部に「認知症施策推進関係者会議」の置くことも盛り込んだ。
都道府県には「都道府県認知症施策推進計画」、市町村には「市町村認知症施策推進計画」の策定に努めることを求めた。
国と地方公共団体に対しては、
認知症の人に関する国民の理解の増進
生活におけるバリアフリー化の推進
認知症の人の社会参加の機会の確保
認知症の人の意思決定の支援・権利利益の保護
保健医療サービス・福祉サービスの提供体制の整備
相談体制の整備
研究等の推進
認知症の予防
――等の施策を求めている。