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精神障害者に対する重層的な支援体制の構築について議論(9月3日)

厚労省の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」は9月3日、第4回会合を開き、精神障害者に対する重層的な連携による支援体制の構築に関して議論を深めた。

前回までの議論で、▽精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の主体は市区町村が担うことを基本として保健所や精神保健福祉センターが専門的な立場から重層的に支援する体制を確保していく▽市区町村が地域精神保健に主体的に取り組めるように制度的な対応や人員体制を強化する必要がある─という方向でほぼ一致しており、今回ではそのことがあらためて確認された。

さらに①精神科病院による地域移行・地域生活支援②障害者の地域移行・地域生活を支えるサービス③相談支援体制④多職種・多機関連携に向けた取り組み⑤居住支援に係る制度とその実践⑥地域ケア会議の実施など介護保険制度における地域包括ケアシステムの推進─などが報告された。

この中で精神科病院の精神保健福祉士(PSW)は市町村が設置する協議の場に6割弱が参加するとともに、協議の場に参加するPSWでは「地域移行支援」を利用する傾向があるがあることが示された。

「地域移行支援」は精神科病院に入院している精神障害者等を対象に、住まいの確保や地域生活に移行するための相談などの支援を原則として6か月を行うものだ。令和2年4月の実績で457人が利用している。

こうした状況を踏まえ、厚労省は、▽精神障害者等への個別の支援の積み重ねから地域課題を抽出し当該課題を当事者・家族を含めた保健・医療・福祉関係者等による協議の場で解決していく▽多職種・多機関の協働・連携に関する研修を整理し、地域の関係者の顏の見える関係づくりや切れ目のない支援の提供体制の構築を図る─ことを提案した。

加えて居住の確保及び居住支援は住み慣れた地域で暮らす上で根幹になるものと指摘。居住に係る施策との連動や居住支援協議会等との連携、住まいの賃貸者等への具体的な支援の体制や方策についても意見を求めた。

検討会では、複数の構成員がピアサポートの重要性を指摘した。ピアサポートについては次回議論を深める予定だ。

また個別のケースから多職種連携を進めていくことを求める意見や、住まいの関係者も含めた多職種連携の必要を強調する意見が出された。

多職種連携を進めていくために医療機関の看護師が地域の協議の場の事例検討などに入ることは困難を伴うとして行政の保健師によるコーディネートに期待する声が上がった。

他方、精神科病院が「地域移行支援」につないでいく上で病院に診療報酬による評価を行うことが提案された。

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