介護保険の福祉用具の評価・検討の視点案が概ね了承される(10月14日)
厚労省は14日、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会(山内繁座長)に、介護保険福祉用具における種目の評価・検討方法案とともに、評価・検討方法を踏まえた「介護保険福祉用具における評価・検討の視点」案、「介護保険福祉用具に係る提案票」案を示した。
検討会は評価・検討方法案や視点案を概ね了承した。
厚労省資料:令和2年度第3回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会に関する資料
評価・検討方法案は、介護保険における福祉用具の範囲(7要件)を前提していく、提案された福祉用具について、①有効性②安全性③保険適用の合理性─の3点から評価・検討していく考え方を示している。
前回会合で整理案が示され、方向性は概ね了承されていた。
今回は前回出された意見を踏まえて修正された評価・検討方法案が改めて提示された。たとえば①有効性の項目では、用具の主たる利用場面について「特定」してもらうことや、エビデンスデータを示す際に論文等がある場合は任意で提出を求めることなどが追記されている。また②安全性の項目では、保守(メンテナンス)には消毒も含むことが示された。
「評価・検討の視点」案は、評価・検討の方法案で示されたことを、さらに簡潔したものだ。メーカー等から提案された福祉用具について保険給付の対象とするかの議論を検討会で進める上での目安になる。介護保険における福祉用具の範囲(7要件)に合わせて有効性・安全性の評価・検討の視点を整理。これらを満たした上で、「保険適用の合理性」を判断する構成となっている。厚労省は、この日の検討会の意見を踏まえるとともに、今後の活用を進める中で、より良いものに見直していく考え。
山内座長は、「これまでは7つの項目(要件)しかなかったから、解釈が食い違っていたり、『これでは分からない』ということがあった。それをもう少し分かりやすくするのがこれの趣旨だと思う」と述べた。
新たな「介護保険福祉用具に係る提案票」案では、求める記載内容は既存の提案票と概ね同じだが、こ検討会の議論を踏まえ、既存の提案票にある「安全性」「衛生性」「有効性に対する検証結果」を中心に見直している。「できる限り客観的なデータで評価できるように下位項目を充実させた」と厚労省は説明した。
新たな提案票案は、大きく①種目の提案②種目の提案を想定する用具・機器③有効性に関する評価④利用の安全性に関する情報⑤保険給付における影響・意見─の5項目で構成。「評価・検討の視点」を踏まえた検討で活用できるように、検討会の構成員の意見などを踏まえ、年度内の完成を目指す。厚労省はホームページで公表し、次年度以降の用具の提案で活用していく。
厚労省は今後の検討会のスケジュールも示した。開発企業等からの募集受付期間を明示したうえで、事前評価を行い、検討会を毎年度内に少なくとも1回開催する。今年度は10月までに受けた要望に関して、検討会で整理した評価・検討方法に沿って事前評価を行い、年明けから年度末の間に第4回会合を開くことを提案した。既に提出されている提案票や添付資料を確認し、評価検討に不十分と考えられる場合は期日までに必要な追加データを可能な限り求める考え。