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「会内の分断を回避するため」日医中川会長が出馬辞退を表明(5月23日)

日本医師会の中川俊男会長は5月23日、都内で会見を開き、次期日医会長選挙に出馬しないことを正式に表明した。出馬辞退の理由について、中川会長は、「今夏の参議院選挙に向け会内の分断を回避するため」と説明した。

中川会長は、決断に至る経緯について、「参院選で組織内候補がどれだけの得票を獲得するかが、診療報酬改定の最終決定に直結する。自見はなこ参議院議員の再選を成功裏におさめなければならない。内側の役員選挙で大混乱を起こすことは絶対にしてはいけない。それを回避する選択肢は、私にしかないのだろう。私が出馬しないことで日医全体の分裂を回避し、一致団結して夏の参院選に向かうことができるのであれば本望」と述べた。  

日医での活動振り返る

中川会長はこれまで、常任理事2期4年、副会長5期10年、会長1期2年を務めた。16年間の活動について、「最も大きな仕事の一つは、地域医療構想に伴う医療法改正と、地域医療構想策定ガイドラインを官僚と一緒にまとめたこと。行政が地域医療提供体制を改変するのではなく、各構想地域の医療機関同士の話し合いで、自主的に収斂させるという仕組みにできた」と振り返った。

会長としてやり残したことを聞かれると、「医療政策は相手のあることなので、やり残したことは多々ある。直近としては、かかりつけ医の制度化をなんとか食い止めたい。働き方改革を地域医療の崩壊に導かないようにしたい。地域医療構想ガイドラインも、何度も折衝を重ねて作った、よい出来上がりだと私は思っているので、変質しないようにといった思いもある。しかし日医の役員もいつかは終わりがくる。想定より少々早いが、今がその時期かと思っている。後に続く役員がきっと頑張ってくれるだろう」と答えた。 

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