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単身世帯や短時間労働者を含めた共働き世帯の年金額を提示――第15回年金部会

厚生労働省の社会保障審議会年金部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事、法学学術院教授)は5月13日、これまでに行ってきた議論の振り返りとして、年金水準の示し方などについて改めて意見を出し合った。

年金水準については、夫婦2人の世帯を想定し、基礎年金2人分と平均的な男性の収入で40年間就業した場合の厚生年金1人分を合計した「モデル年金」を毎年厚労省が算出している。共働き世帯や単身世帯が増加していることなどにより、年金額の示し方には多様な世帯構成やライフコースに応じた見せ方をするようかねてより委員から指摘されていた。そのため、厚労省はこの日、単身世帯が厚生年金に40年加入した場合の年金額を男女別に例示した。年金額算出の基礎となる収入については、男女それぞれ平均的な収入だった場合のほか、平均よりも1.25倍だった場合、0.75倍だった場合も合わせて示した。また、夫婦世帯のイメージについては、片方あるいは両者が時間労働者だった場合も含めて収入の幅を持たせたパターンを提示した。委員からは、「男女で分けて示すのではなく、収入で分けて示すべき」「年代で示したほうがいい」などの意見があった。

単身世帯の年金水準の示し方(例)
夫婦世帯の年金水準の示し方(例)

このほか、第3号被保険者制度の在り方については、「適用拡大を進めたうえでどのような人が第3号被保険者なのか精査してから制度について議論すべき」「廃止するべき」という意見が出された。また、加給年金についても存続すべきという意見と廃止したほうがいいという意見の両方が出された。年金部会では、今夏に公表される財政検証結果を踏まえ、今年の秋から年金制度改正に向けた2巡目の議論に入る予定となっている。

第15回年金部会資料


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