教育訓練修了後に5%以上の賃上げを要件として給付率10%増――雇用保険・専門実践教育訓練給付金
厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は6月19日、教育訓練修了後に賃金が5%以上上昇したことを要件に、雇用保険・教育訓練給付の専門実践教育訓練給付金の給付率を10%上乗せする雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案をおおむね妥当と認めた。同21日の労政審職業安定分科会でも妥当と認められ、労政審の答申とした。
令和6年10月1日から施行する。
個人の主体的なリスキリングに対する直接支援をより一層強化するとともに、教育訓練受講が賃金上昇につながるよう効果を高めるのがねらい。
本体給付(50%)や資格取得等を要件とした追加給付(20%)とあわせて給付率は最大80%となる。
給付率10%増の要件となる賃金の上昇は、教育訓練前後の6ヵ月の期間の賃金をそれぞれ180で割って賃金日額を算出し、訓練後の賃金が訓練前の賃金の105%相当額以上であれば要件を満たす。
対象が離職者の場合は、基本手当と同じように教育訓練開始日前の直近の離職に係る賃金日額と、資格取得等をして雇用された日から1年を経過するまでの期間における任意の連続する6ヵ月間の賃金を比較する(図1参照)。
図1 賃金要件の確認(離職者)
対象が在職者の場合は、教育訓練開始日の前日を離職日とみなして同様に賃金日額を算出し、資格取得等をした日を起点に、1年を経過するまでの期間における任意の連続6ヵ月間の賃金を基礎として算出した賃金日額と比較する(図2参照)。
図2 賃金要件の確認(在職者)
なお、労働者が申請する際の提出書類には、対象となる期間の賃金額等を事業主が記載して証明する必要がある。
このほか、教育訓練給付の特定一般教育訓練給付金には、資格取得等をした上で就職または雇用が継続している場合の追加給付(10%)を新設。本体給付(40%)とあわせて給付率は最大50%となる。