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#43 戸籍上の妻が妊娠中の子と認知裁判中の不倫の子がいる場合

石渡 登志喜(いしわた・としき)/社会保険労務士・年金アドバイザー

今回は、死亡した夫の戸籍上の妻が妊娠中で、かつ不倫の子もいるケースです。不倫の子については夫死亡後に認知裁判の手続が行われ、結果が出ていません。戸籍上の妻、その妻が妊娠中の子、不倫の子、それぞれの遺族年金がどうなるのか、見ていきます。


【事例概要】
死亡者:A夫さん(平成2年9月10日生まれ:34歳/会社員)
・令和6年9月14日に交通事故で死亡
 請求者:B子さん(平成5年7月3日生まれ:31歳)
・A夫さんと戸籍上の夫婦
・A夫さん死亡時にA夫さんとの1人目の子を妊娠中
 請求者:M(令和5年4月12日生まれ:1歳)
・A夫さんの不倫の子で、A夫さん死亡後に認知裁判中

夫のA夫さんがゴルフ場に行く途中に交通事故に巻き込まれて死亡したとのことで、妻のB子さんが遺族年金の請求をするための相談にみえました。
A夫さんとB子さんは戸籍上の夫婦です。A夫さんは大学卒業後、C社に入社して、死亡時まで約12年間、厚生年金被保険者となっていました。同じ会社にB子さんも勤務しており、現在、1人目の子を妊娠中とのことでした。
しかし、事情を聴いていくと、いろいろと問題点があることがわかりました。

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