日精協調査で転院できずコロナで死亡した患者は235名(9月15日)
日本精神科病院協会は15日に会見を開き、「新型コロナウイルス感染症対応状況及びワクチン接種状況に関する調査」の結果を発表した。
精神科病院の患者のうち、新型コロナウイルス感染症の総感染者数は5091名で、重症化等により転院を要請しても転院できず死亡した患者が235名にのぼることがわかった。
調査は会員病院711病院から8月23時点におけるデータをアンケートにより集計。そのうち、310病院が「新型コロナ陽性者が発生した」と回答し、58病院が「転院が必要な患者が転院できなかった」と回答した。
山崎學会長は、「精神症状が安定していないと受入れを断られる場合も多い」と述べ、転院先の確保が困難な実情を説明した。
また、入院患者のワクチン接種については、全体で71%が2回目接種を完了しているものの、「ワクチン供給量が足りない」、「接種同意を得ることや接種券の回収が困難」といった理由で接種が進まないという意見が多く寄せられた。
今回の調査結果を踏まえ、日精協は同日、陽性となった精神疾患を有する患者への柔軟な対応を求める要望書を厚労省に提出した。