コロナ病床確保「都道府県の医師会・病院団体の協議会立上げを」(1月27日)
日本医師会の中川俊男会長は1月27日の会見で、新型コロナウイルス感染症対策としての医療提供体制の確保やワクチンの接種体制などについて認識を示した。
1月20日に初会合を開いた日医と病院団体による「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」の第2回会合について、本日夕方に開催することを明らかにした。第2回会合では、コロナ患者を受け入れる病床確保に向けた具体的な検討に入るとし、「日医からは都道府県医師会および都道府県病院団体による協議会の立上げと、都道府県行政との連携強化を提案したい」と述べた。
その上で、「すでに同様の仕組みは全国で構成されているが、財政面など国としてのさらなる要請ができないかを対策会議で議論を進める。その協議会において地域内の受入病院・受入病床の拡充、後方支援病棟の確保を図っていく」と強調した。
ワクチンの接種体制の構築については、1月22日に河野太郎担当大臣と会談したことに触れ、「全国各地で医療機関の状況がそれぞれ異なるため、全国一律の体制ではなく自治体と地域の医師会が協議しながら、地域の実情に応じて柔軟な接種体制を整えていくことが重要であるとの認識で一致した」と明かした。
ワクチンの接種方法には、特設会場で行う集団接種と診療所で行う個別接種があることを説明し、「厚労省は自治体に対して集団接種を中心とした体制づくりを依頼している。日医としては、集団接種と個別接種の柔軟な組み合わせが大切だと考えており、特に住民への接種はかかりつけ医で安心して受けられることが重要だ。かかりつけ医による個別接種が容易になるように財政支援とワクチン供給の確保を要請する」と述べた。
ワクチンの接種順位については、厚労省から医療従事者、高齢者、基礎疾患を持つ人の順位が示されていることを説明した上で、「介護施設の従事者は高齢者と同じタイミングになっている。しかし、介護従事者は重症化リスクを持つ高齢者と接していることやクラスター防止のためにも約370万人の医療従事者と同時に接種を行うべきだ」と提案した。
一方、2月7日を期限とする緊急事態宣言の解除については、「第1回目の緊急事態宣言のときの解除とは数段意味が違う。多くの国民が本当に我慢しているので、今回解除すると国民のゆるみは強烈になる可能性がある。解除は慎重にすべきだ」と述べた。