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子どもの3割「コロナになったら秘密にしたい」 国立成育医療研究センター調査(8月18日)

国立成育医療研究センターは8月18日、新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼす影響をみるアンケート調査の結果を公表した。調査は6月中旬から7月下旬の間に子どもと保護者を対象に実施されたが、4~5月に実施した前回調査と比べて、子どものストレス状態は改善されていなかった。子どもの3割が、家族や自分がコロナに感染していることがわかっても秘密にしたいと答えていた。コロナ感染者への差別や偏見がありうると子どもが感じていることや、子どもがその対象になるのを恐れていることが示唆された。 国立成育医療研究センターの「コロナ×こども本部」が、7歳から17歳までの子ども981人と、0歳から17歳までの子どもをもつ保護者5,791人から、インターネットを通じて回答を得た。

保護者もコロナ感染者への差別を危惧

出典:コロナ×こどもアンケート第2回調査報告書

32%の子どもが「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」と答えた。 「コロナになった人とは、コロナが治っても付き合うのをためらう」と答えたのは、子どもの22%。 40%の子どもが、「コロナになった人とは、コロナが治っても付き合うのはためらう人が多いだろう」と答えた。 保護者も29%が、「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」と回答した。  

ストレス反応の子ども多数 「ともだちとあそぶと おこられる」

子どもの72%に、「集中できない」「いやな夢をよくみる」など何らかのストレス反応・症状がみられた。

出典:コロナ×こどもアンケート第2回調査報告書

自由記載では下記のような回答があった。

  • 「コロナのことを考えると寝ながら少し泣いてしまう」(小学低学年)

  • 「せんせいがこわいです ともだちとあそぶとおこられます」(小学低学年)

  • 「かぞくがコロナで死なないか心配、学校に行きたくない」(小学低学年)

  • 「学校に行きたいのに行きたくない」(小学高学年)

  • 「自分で進める課題が多すぎて終わらない」(高校)

  • 「部活がいつも通りにできない」(中学)

保護者側でも家庭内での行動に変化があり、保護者の36%が、子どもや他の家庭内の大人に対して、感情的に怒鳴るなどの「好ましくない振る舞い」が1月時点より増えたと答えた。  

乳幼児のオンライン健診は「受ける」83% 集団健診は「受けたくない」28%

0歳~2歳児の保護者に、集団での乳幼児健診を受けたいかを聞いたところ、会場では感染予防策を実施していると伝えても「受けたくない」が28%だった。

かかりつけ医での個別健診を「受ける」と答えたのはが99%。
スマートフォンなどのオンライン健診は、「受ける」が83%、「受けたくない」が11%、「わからない」6%だった。  

「両親がコロナになったら子どもはどうなる」

保護者からの自由回答では、親が新型コロナウイルス感染症にかかった場合を危惧する回答もあった。「他に頼るところのない子育て家庭で両親がコロナにかかったとき、子どもはどうなるのか、行政サービスはあるのか知りたい」。

また、在宅勤務と子育ての両立の難しさを訴える回答もあった。「世の中が在宅勤務を素晴らしい方法だと勧めているけど、そのことの悪影響をどう解消していくか、もっとさかんに考えて、記事にしたり報道してほしい」。  

ストレス反応が慢性化しないよう注意深く見守るべき

アンケート調査を実施した国立成育医療研究センターの「コロナ×こども本部」は、子どもたちのストレス反応が前回調査から続いていることについて、「COVID-19 流行が終息しないままであることへの不安、新しい生活様式、休校期間の遅れを取り戻そうとするカリキュラムへの不適応などがストレッサーになっている可能性がある」と指摘する。
その上で、「この影響は今後も続くと予想され、ストレス反応が慢性化しないように注意深く見守っていく必要がある」と訴えている。

「コロナ×こども本部」による次回調査は、9月1日からを予定しているという。 

参考:コロナ×こどもアンケート 第2回調査 報告書

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