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新型コロナの診療所への影響4~6月の医業収入は▲13.3%(9月9日)

日本医師会の中川俊男会長は9月9日の会見で、新型コロナウイルス感染症の診療所経営への影響調査(4~6月)の結果を発表した。医業収入の対前年同期比は4月▲15.4%、5月▲16.5%、6月▲8.0%で、4~6月平均は▲13.3%となった。回答数は587施設。

中川会長は、「6月はやや戻っているものの、依然として1割近い減少である。7月には全国各地で同感染症の患者数が再拡大しており、6月以上に医業収入が落ち込んでいるのではないかという懸念がある」と述べた。

また、4~6月の医業収入の対前年同期比の平均を診療科別にみると、内科▲10.7%、外科▲9.4%、整形外科▲13.0%、眼科▲3.4%となったが、耳鼻咽喉科は▲34.5%、小児科は▲26.0%と大幅に減少した。

耳鼻咽喉科と小児科について、医業収入が3割以上減少した月がある診療所は耳鼻咽喉科で89.4%、小児科で56.3%を占めた。5割以上減少した月があるのは耳鼻咽喉科で41.5%、小児科で10.9%となった。

小児科について中川会長は「半数近くはぎりぎりのところで持続化給付金の要件に該当しない。今後、要件の緩和や段階的な要件設定を求めたい」と述べた。

一方、医業利益をみると、医療法人の無床診療所は4~6月の間、毎月赤字となった。中川会長は「無床診療所は入院外のみの収入であり、受診控えの影響が極めて大きい」と述べた。

交付金等と融資の申請状況を聞いたところ、「交付金等と融資の申請をした(予定を含む)」は25.0%、「交付金等のみ申請した(予定を含む)」は35.9%、「いずれも申請していない・無回答」は39.0%となった。

交付金等または融資を申請した診療所に対し、資金繰り対策として十分かどうか聞いたところ、「十分」は21.5%で、「不十分」(「やや不十分」と「不十分」)は77.7%と8割弱が不十分との認識を示した。

医療機関への支援として有床診療所には200万円、無床診療所には100万円を上限とする補助金が用意されていることについて中川会長は、「同支援は支出に対する実費補助である。損失補填も排除せず、大胆な追加的支援を求めたい」と述べた。

交付金等または融資の申請については「2次補正予算の支援策が一定程度活用されているものと評価できる。しかし、まだまだ不十分との声も少なくない。さらにきめ細かい対応を要請したい」と述べた。

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