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薬機法等改正法案が国会で審議入り(3月31日)

政府の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」(薬機法等改正案)が3月31日、衆院本会議で審議入りした。

緊急時に新しい医薬品を迅速に承認する制度と、電子処方箋の仕組みの創設が改正法の2つの柱。

岸田文雄首相は、「感染症に対する我が国の危機管理強化の観点から、緊急時において必要な医薬品等を速やかに国民に届けるとともに、オンラインで完結する非対面型の医療提供を行うに当たり必要となる法的基盤を整備することが必要だ」と法改正の必要性を訴えた。

法案の大きな柱の一つは、医薬品の緊急承認制度の創設だ。新たな緊急承認制度は「国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するために緊急に使用されることが必要な医薬品等について、他に代替手段が存在しない場合」に適用する。

緊急承認制度では、医薬品の安全性について従前と同水準の確認を行うが、有効性については「推定」の段階で承認できることとする。

なお、迅速に医薬品の承認を行う仕組みとして、現在、特例承認制度があるが、対象となるのは外国で流通している医薬品に限定されている。その点、緊急承認制度では、国内企業が世界に先駆けて開発し、国内で承認申請を行った場合も対象となる。

立憲が「コロナかかりつけ医」の制度化を提案

なお、立憲民主党が感染症対策として提出した3本の法案も同日、審議入りした。

そのうち「新型コロナウイルス感染症に係る健康管理等の実施体制の確保に関する法律案」では、高齢者や基礎疾患をもつ患者が「コロナかかりつけ医」を登録し、新型コロナを発症した場合にはコロナかかりつけ医が医療を提供する仕組みを提案している。

中島克仁議員は、「日本版家庭医制度の第一歩として、コロナかかりつけ医を導入するべきだ。日本医師会に遠慮せず、国民の声に耳をすまし、いまこそ政治が動くとき」と訴えた。

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