育休延長に必要な「保育所入所保留通知書」の取り扱いで厚労省が見直し案
厚生労働省は9月22日、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会を開催し、子が1歳以降の育児休業及び育児休業給付の延長に必要となる「保育所入所保留通知書」の取り扱いについて見直し案を示した。
育児休業等の延長を目的として、保育所に入所意思のない保護者からの入所の申し込みや相談の窓口対応に苦慮している自治体の要請を受けたもので、同省は、「保育所入所保留通知書」の提出の有無にかかわらず、客観的に保育所等の利用を申し込んだこと、当面入所できないことを確認した上で、ハローワークが育児休業及び育児休業給付の延長の必要性を判断する運用に改める方針だ。関係部局と調整し、年内を目途に決定する。
育児休業は、原則として子が1歳に達するまでの間、労働者の申出により取得が可能だが、保育所等における保育の利用を希望し申し込みを行っているが、当面保育が実施されない場合など、特別の事情があれば、子が最長2歳になるまで延長することができる。さらにその延長期間も、育児休業給付金の支給対象となる。
これまでは、当面保育が実施されない場合の確認手段として市区町村が発行する「保育所入所保留通知書」の提出を求めてきたが、自治体の要請(令和5年地方分権改革に関する提案事項)によると、育児休業の延長を希望し、入所意思のない者から入所の申し込みや相談の窓口対応に少なからず時間が割かれるほか、保護者の意思に反して入所内定となった場合の苦情、辞退なども多く、真に保育所の利用を必要とする保護者の相談・受付やフォローアップなどに対応する時間の確保を難しくしている現状が指摘されていた。
こうした現状を踏まえ、同省は、本人の復職の意思や復職のために保育所等を利用する必要性などについて、本人からの申告に基づき判断するとし、単に「保育所入所保留通知書」を提出するだけでは延長は認めない運用に見直す考え。申告書には、入所申し込みとその結果(たとえば入所申込年月日、入所申込先の市区町村、入所希望保育所、入所希望年月日、選考結果など)の記載を求め、これらの事実を裏付ける書類を適宜添付するとともに、書類が添付されていない場合や不十分の場合などは、ハローワークが市区町村に直接照会し、申告内容を確認するとした。
厚生労働省ホームページ 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(9月22日)