新型コロナの2社のワクチンを特例承認 アストラゼネカの接種は見送り(5月21日)
厚労省は5月21日、アストラゼネカ社とモデルナ社の新型コロナウイルスワクチンを特例承認した。同日開かれた厚生科学審議会のワクチン分科会では、モデルナのワクチンの接種を認める一方、当面はアストラゼネカ社のワクチンの使用を見送る方針で一致し、その旨を厚生労働大臣に答申した。
モデルナのワクチンは、通常、4週間の間隔を置いて2回、筋肉内に接種する。接種対象者は18歳以上の人。
アストラゼネカのワクチンは、海外で副反応として、極めてまれに血小板減少を伴う血栓症が発生しており、若年者への接種を推奨していない国がある。厚労省は今後、諸外国での接種の状況や、血小板減少を伴う血栓症の治療ガイドラインの周知状況を注視しながら、アストラゼネカのワクチン接種について検討を続ける。
アストラゼネカ「選択肢として残すべき」
日本医師会の釜萢敏委員は、「現時点で(アストラゼネカのワクチン接種について)判断できる根拠が十分に整っていないので、検討を続けることに賛成だ。ただ、国内で接種できるワクチンの選択肢として、アストラゼネカのワクチンを排除すべきではない。今後、状況が変わってくる可能性があるので、使えるワクチンとして日本に確保しておくことが大事である。国内で製造可能であることも大きな利点だ」と述べ、接種可能と判断できる条件が整えば、速やかに分科会で検討を進めるよう要請した。