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日医会長「今回を最後の緊急事態宣言に」早期解除に慎重対応求める(2月10日)

日本医師会の中川俊男会長は2月10日の会見で、新型コロナの緊急事態宣言の早期解除に対して慎重な対応を求め、「今回を最後の緊急事態宣言にしたい。政府には冷静で大局的な判断をお願いする」と述べた。

東京都では1日当たりの新規感染者数が500人を下回ることがあるため宣言解除の前倒しする意見がでていることに対し、「先週末の繁華街の人出は軒並み増加しており、このような状況ではふたたび感染者数が増加に転じるおそれがある」と指摘。

京大の西浦教授らによる、「1日当たりの新規感染者数が500人を下回った時点で緊急事態宣言を解除すると、4月後半には緊急事態宣言発令前の水準に戻る」という試算を説明し、「すなわち第4波が襲来することだ。そうなれば3回目の緊急事態宣言の発令が必要になりかねない。現在の病床使用率や重症患者数は依然として高いままであり、日医としてはここで徹底的に新規感染者数をおさえるべきと考えている」と述べた。

緊急事態宣については、「解除の基準は新規感染者数もさることながら、医療提供体制のひっ迫の解消も重要だ。また変異株の市中感染も指摘されるなか、現在緊急事態宣言区域の対象になっていない区域においても今後急速な感染拡大の可能性がある」と述べた。

その上で、「国民のみなさんに自粛という我慢をお願いし、いろいろな制限に耐えてもらうのはこれで最後にしたい。ふたたび緊急事態宣言を発令することは絶対に避けたい。第4波が来ないレベルまで徹底的に感染者を抑え込み、収束への道筋をつけることが必要だ」と訴えた。  

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