日医と知事会がオミクロン株の対応で意見交換会(1月20日)
日本医師会と全国知事会は1月20日、全国的な感染が急拡大している新型コロナウイルスのオミクロン株への対応について、意見交換会を開催した。自宅療養者を含む軽症患者への対応やワクチンの3回目接種の実施に向けて理解を深め、協力していくことを確認した。
日医の中川俊男会長は、「オミクロン株の流行によってコロナ対応は高齢者や基礎疾患を持つ人などリスクの高いグループに配慮した上で、経済の再活性化と感染拡大防止の両立を目指す段階に入ったと考えており、多数の軽症者に対する医療提供体制の整備が重要になってくる」と日医のスタンスを表明した。
全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)は、オミクロン株の急激な感染拡大に懸念を示し、自宅療養者を含む在宅医療の確保を課題にあげた。「軽症者が重症化しないようなケアの体制を、各地域医師会と都道府県が共同しながらつくっていき、実行することが大切である」と述べた。
意見交換では、内堀雅雄福島県知事は、全国知事会が12日にまとめた「全国的な感染急拡大を受けた緊急提言」を説明。提言のなかで特に日医に対し、①経済団体や事業者等に対する事業継続計画(BCP)の策定・点検の要請②地域の医療機関と保健所が連携強化し、保健所だけに頼らない重層的なネットワークづくり③より多くの医療機関が在宅診療に携われるような自宅療養者への対応の強化―の3点の協力を求めた。
濵田省司高知県知事は、3回目のワクチン接種について打ち手の確保や医療従事者の接種の促進に向けた働きかけを要請。
杉本達治福井県知事は、感染予防のために「会話時のマスク着用の徹底をともに呼びかけていきたい」と述べた。
日医の今村聡副会長は、医療現場では検査キットやパルスオキシメーターが不足し始めていることを指摘し、都道府県の支援を要請。また、ワクチン接種の費用申請などの手続きが複雑化していることから改善を求めた。
釜萢敏常任理事は外出自粛の必要はないとの報道に対し、「人と人との接触を減らさないと感染が減らないことは基本である。間違ったメッセージが広がらないようにしたい」と述べた。
松本吉郎常任理事は、感染拡大によって小児科や耳鼻咽喉科で再び受診抑制が起きている状況を説明し、診療報酬などによる対応が必要とした。