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厚労省が介護報酬改定に向けた基本的な視点案を示す(10月9日)

厚労省は9日、社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)に「令和3年度介護報酬改定に向けた基本的な視点」案を示した。

分科会の意見を踏まえ、12月を目途に取りまとめる最終的な審議報告に盛り込んでいく考えだ。

視点案では、改定に当たり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの現状を踏まえた上で、①感染症や災害への対応力の強化②地域包括ケアシステムの推進③自立支援・重度化防止に向けた取り組みの推進④介護人材の確保・介護現場の革新⑤制度の安定性・持続可能性の確保─の5点を基本的視点として示した。

これまで議論してきた横断的事項と同じである。

このうち①感染症や災害への対応力の強化では、感染症や災害が発生した場合であっても利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制の構築が求められるとし、発生時に備えた日ごろからの取り組みや業務継続に向けた取り組みを推進していく必要を強調している。

②地域包括ケアシステムの推進では、看取りへの対応の充実や、都市部・中山間部など地域の特性に応じたサービスの確保などを盛り込んでいる。

③自立支援・重度化防止の取り組みの推進では、リハビリテーション・機能訓練、口腔。栄養の取り組みの連携・強化や科学的介護の推進などをあげた。

④介護人材の確保・介護現場の革新では、▽介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取り組みの推進▽ロボット・ICTの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務の効率化・業務負担軽減の推進▽文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進─を示した。

⑤制度の安定性・持続可能性の確保では、サービスの評価の適正化・重点化や報酬体系の簡素化の必要を指摘している。

これに対して、健保連の河本滋史委員は、⑤制度の安定性・持続可能性の確保について、「介護給付費が増加して行く中で、これ以上の現役世代の負担増の助長を抑止するとか、限られた財源の中で給付と負担を見直し、適正化・重点化を図っていく。そうした趣旨を盛り込んでいただきたい」と要望した。

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