#38|支給停止事由消滅届と停止されている障害年金
障害年金を受給開始後も、障害の程度は変化する可能性があります。従って、障害年金受給者のほとんどは、数年に1度、障害状態を確認するために診断書を提出しなければなりません。これを「障害状態確認届」といいます。
提出時期は、年金証書や通知に記載されており、提出期限のおよそ3カ月前に障害状態確認届が日本年金機構より送付されます(ただし、切断等、永久に固定した障害の程度と認定された場合は、送付されませんので提出も不要です)。障害状態確認届は、診断書となっていますので、それを医師に渡して記載してもらい提出期限までに返送します。返送を受けた日本年金機構では、改めて障害の程度を審査し、現状の等級を維持するか、それとも新たな等級に変更するかを決めます。障害の程度が軽くなっていれば下位の等級(または障害不該当)に認定しますし、障害の程度が増進していれば上位の等級に認定することもあります。
障害が軽くなったことにより下位の障害等級に変更されても、障害年金を受給できる等級の範囲内であれば、額は減りますが障害年金の支給自体は維持されます。しかし、受給できる範囲外の障害の程度であると認定された場合は、障害年金は支給停止となります。
ここで留意したいのは、支給停止であって、失権ではないということです。受給権自体は失われないため、障害の程度が悪化したら、支給停止の解除をいつでも請求をすることができます。この請求を「支給停止事由消滅届」といいます。今回は、障害等級3級になり、障害基礎年金が支給停止されていた人が、悪化したことにより、その停止の解除をする事例を検証したいと思います。
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