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国民民主、医薬品の安定供給とイノベーションで厚労相に申し入れ(2023年6月15日)

国民民主党は6月15日、「国民の命と生活を守る医薬品の安定供給確保とイノベーションに向けた緊急申し入れ」書を加藤勝信厚生労働大臣に提出した。毎年薬価改定の是非も含む薬価制度の抜本的な見直しや革新的医薬品の特許期間中の薬価の維持、セルフメディケーションの推進などを求めている。玉木雄一郎代表と田村まみ参院議員が加藤大臣に要請した。

申し入れ書では、社会保障費の増大を背景に社会保険料の国民負担率は47.5%まで増大しており、物価高騰とあわせ国民生活は厳しい状況にある一方、保険財源確保策を目的とした度重なる薬価引き下げによって、製薬産業全体の体力は大きく低下していることを指摘。

その上で、「医薬品は公定価格が決まっており、メーカー、医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品卸が原薬や原材料、燃料の高騰を価格転嫁することができないために不採算生産が広がっていることに加え、一部企業の品質不正に起因して安定供給に深刻な影響を及ぼしていることから供給不安に起因した需給調整によって国民・医療現場に薬が届かない状況にある」とし、次の3項目について要望した。

  • ①安定供給の実効性確保

    • 引き下げありきの薬価改定に対し、毎年薬価改定の是非も含め薬価制度を抜本的に見直す

    • 最低薬価のありかたの見直しをはじめ安定供給を可能にする新たな薬価制度を構築する

    • 医療機関と医薬品卸業の取引における商慣行を変革すべく医薬品流通改善の促進

    • 医薬品の生産・在庫・出荷状況を一元管理するデータベースを構築

    • 現在の状況を生み出した中央社会保険医療協議会(中医協)のあり方の見直し

  • ②イノベーションの促進

    • 革新的新薬へのアクセス確保とドラックラグ・ドラッグロス改善のため、革新的医薬品の特許期間中の薬価の維持

    • 世界中から投資、技術、人材を呼び込み、かつ多様な人材が力を発揮する創薬エコシステム・イノベーション拠点を構築し、研究者のキャリア形成に役立てること

  • ③セルフメディケーションの推進

    • 高齢者をはじめ国民全体にセルフメディケーションの選択肢を広げ、医療費適正化を図るため、安全性が高く効き目が確認されている医療用成分を積極的にスイッチOTC 化する

    • 自身の健康状態を把握して疾病の早期発見、早期受診を促すため検査薬のOTC 化の推進

    • 国民のセルフケアの意識を喚起し行動変容を促すよう、セルフメディケーションを促進する税制の普及に努めること

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