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介護給付費分科会が令和3年度報酬改定の効果検証調査の結果を了承(3月16日)

社会保障審議会介護給付費分科会は3月16日、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和4年度調査)の結果について了承した。

結果が取りまとめられた調査項目は次の5本。

  1. 都市部、離島や中山間地域などにおける令和3年度介護報酬改定等による措置の検証、地域の実情に応じた必要な方策、サービス提供のあり方の検討に関する調査研究事業

  2. 介護保険施設のリスクマネジメントに関する調査研究事業

  3. 介護保険施設における医療及び介護サービスの提供実態等に関する調査研究事業

  4. LIFE を活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究事業

  5. 介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事

令和3年度介護報酬改定の措置の検証調査の結果では、「(看護)小規模多機能型居宅介護」について過疎地域等におけるサービス提供を確保する観点から、市町村が認めた場合に登録定員を超過した場合の報酬減算を一定の期間行わない措置(令和3年4月施行)に対し、令和4年7月までの措置の実施状況について聞いたところ、「実施した」が1.2%(16件)、「実施を検討したが、実施には至らなかった」が5.4%(72件)、「実施を検討中(実施には至っていない)」が2.3%(31件)、「実施していない(検討していない)」が91.1%(1,220件)だった(下図)。

介護保険施設のリスクマネジメントの調査の結果では、安全対策体制加算の算定は特養で69.9%、老健で73.9%、介護医療院で50.2%となった。安全対策体制加算を取得しない理由が「外部の研修を受けた担当者を配置できない」である施設は、特養で24.1%、老健で44.9%、介護医療院で48.8%だった。

「酸素療養」「インスリン注射」は、特養・老健・介護医療院とも過半数の施設が提供可能

介護保険施設における医療・介護サービスの提供実態調査の結果では、施設内で提供可能な医療の割合は、◇「経鼻経管栄養」=老健では41.7%、介護医療院では93.7%、特養では28.7%◇「24時間持続点滴」=老健では39.9%、介護医療院では82.4%、特養では5.7%◇「喀痰吸引(1日8回以上)」=老健では50.3%、介護医療院では83.7%、特養では24.1%◇「酸素療養(酸素吸入)」=老健では66.1%、介護医療院では90.5%、特養では53.9%◇「インスリン注射」=老健では86.8%、介護医療院では91.9%、特養では69.1%―となった。

LIFEの取組みに関する調査の結果では令和3年度調査時点と比較。令和4年度調査時点では、①LIFEを活用していない事業所・施設の割合が減少(3年度27.2%→4年度22.5%)②利用者の状態管理・課題把握でLIFEを活用する事業所・施設の割合が増加(56.9%→63.6%)③フィードバック票を用いた提供サービス・ケアの見直しでLIFEを活用する事業所・施設の割合が増加(17.3%→19.1%)―となった(下図)。

  介護現場でのテクノロジー活用の調査では、全国の介護施設・事業所における介護ロボットの導入状況として、「見守り支援機器」の「入所・泊まり・居住系」における「導入済み」の回答割合は30.0%であったことや、その他10%以上導入されている介護ロボットは、「入所・泊まり・居住系」の「入浴支援機器」(11.1%)、「介護業務支援機器」(10.2%)などが示された。      

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