オン資確認「不詳」「旧資格」による請求方法のQ&Aを事務連絡(2023年8月3日)
マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応については、厚生労働省保険局長通知(令和5年7月10日)および保険局医療課事務連絡(令和5年7月19日) においてケースごとに示されている(関連記事)。
この通知等には、レセプト摘要欄に「被保険者資格申立書」により把握している患者の住所、事業所名、連絡先等の情報を記載した場合は、「保険者等番号」および「被保険者等記号・番号」を「不詳」としたまま診療報酬請求ができることなどが明記されている。
「不詳」で請求できるのは、令和5年9月以降の請求分からとなる。
保険種別を特定できなかった場合は各医療機関等の判断で支払基金か国保連かのいずれかに請求
「不詳」等による9月以降の請求については8月3日、保険局医療課等の連名による事務連絡「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合における対応等に対する疑義解釈について」が発出された。
いわゆるQ&A形式によるもので、「不詳」での請求(不詳請求)のほか、「旧資格」での請求(旧資格請求)など合計7項目における疑問点に応えており、内容は以下の通りとなっている。
「不詳請求」の場合で、被保険者資格申立書の保険種別が「わからない」ときは、請求先は支払基金か国保連か?
⇒被保険者資格申立書や患者からの聞き取りの内容等から、患者の加入する保険種別を可能な限り特定した上で、当該保険種別に対応した審査支払機関に請求。保険種別を特定できなかった場合は、各医療機関等の判断で支払基金か国保連かのいずれかに請求公費負担医療(自治体が行っている子ども医療費助成なども含む)についても、オン資確認できなかった場合、「旧資格請求」や「不詳請求」を行うことができるか?
⇒公費負担医療の対象患者は、公費負担医療について有効な受給者証が提示されていれば、オン資確認ができなかった場合には、「旧資格請求」や「不詳請求」を行うこともできる。これにより、患者に対しては、公費負担医療による窓口負担の減免を行うことが可能被保険者資格申立書において、患者が一部負担金割合の欄の「わからない」にチェックした場合、何割で請求するのか?
⇒この場合の窓口負担割合は、患者の年齢等を踏まえつつ、前年の負担割合や、前年からの変更可能性などを可能な限り聞き取って上で判断。なお、患者の申立てに基づく割合で一部負担金を受領した場合、実際の負担割合が異なっていても、負担割合相違によるレセプト返戻は行わない「不詳請求」について、再審査又は取下げの申出を行う場合、申出期間はいつまでか?
⇒「不詳請求」を行った日の6か月後の日が属する月の20日まで70歳以上については、所得区分に応じて特記事項を記載することとされているが、「不詳請求」の場合は?
⇒請求を行った一部負担金割合に応じて、対応する特記事項を記載。なお、患者が申し立てた一部負担金割合及び対応する特記事項について、実際の負担割合及び特記事項との相違があった場合でも、レセプト返戻は行わない。負担区分が不明の場合は、請求を行った一部負担金割合に応じて、以下のとおり記載
・3割の場合:26区ア
・2割の場合:(70~74歳)29区エ、(75歳以上)41区カ
・1割の場合:42区キ被保険者資格申立書の「保険者等名称」の欄又は「事業所名」の欄が空欄であった場合(記載が不要な場合も含む)、レセプト摘要欄への記録は?
⇒レセプト摘要欄にはそれぞれ「保険者等名称記載なし」又は「事業所名記載なし」と記録被保険者資格申立書の保険者種別欄で、「後期」にチェックがある場合、被保険者資格申立書の保険者等名称及び事業所名の欄の記載は不要か?
⇒事業所名欄の記載は不要。保険者等名称欄は、後期高齢者は必ずしも住所地の広域連合の被保険者であるとは限らないため、可能な限り記載