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日医の中川会長、緊急事態宣言解除に慎重な対応求める(2月25日)

日本医師会の中川俊男会長は2月25日の会見で、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の解除について慎重な対応を求めた。

日医の宣言解除の基準は、感染状況を示す6指標のうち「ステージⅡに相当する」もしくは「ステージⅢではあるが、そのままの状況が続けばステージⅡになるのは間違いないと判断される」であることを改めて説明。その上で、今の感染状況は改善傾向にはあるものの、新規感染者数の減少スピードは鈍化して下げ止まりの兆候がみられることを指摘し、「ステージⅡにはほど遠い」と述べた。

宣言対象地域である関西圏の京都府医師会、大阪府医師会、兵庫県医師会の各会長に現状を聞いたことを明かし、「いずれも医療現場は引き続き高い緊張感を持っており、宣言の解除と社会経済活動の再開については段階的に慎重に行うべきとの認識だった」と述べた。 緊急事態宣言の前倒し解除については、「国民にもう大丈夫なんだという誤ったメッセージを発信することになる危険性がある。第4波が襲来しないレベルまで積極的に疫学調査が可能になるレベルまで徹底的に感染者数を抑え込み、しっかりと収束への道筋をつけることが最も重要であることを強調したい」と訴えた。

政府に対しては、「先日改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)も十分に考慮し、緊急事態宣言の解除は慎重かつ冷静で大局的な判断をあらためてお願いする。ただ単に解除するだけでは、国民の間に解放感が生じて非常に心配だ。仮に解除するのであれば、特措法に基づく『まん延防止等重点措置』の適用も検討する必要があるのではないか」と要請した。

一方、2月24日に日医、四病院団体協議会、全国自治体病院協議会による「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」の3回目の会合を開催したことも報告した。今回から厚労省が参画し、迫井正深医政局長が出席した。

会合では、地域におけるすべての医療機関がそれぞれの役割を果たすことが重要だとの共通認識をあらためて確認したという。

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