高齢者のワクチン接種と感染状況の推移を報告(7月13日)
東京都医師会の平川博之副会長は7月13日の会見で、高齢者のワクチン接種と感染状況の推移などの中間報告を発表した。ワクチン接種推進の結果、高齢者の新規感染者数は大幅に減少していると評価した。
ワクチン接種と感染者数の関連性を図る一例として、東京都八王子市のワクチン接種状況を紹介。八王子市は4月中旬から集団接種を中心に開始し、7月12日時点で、60歳以上の1回目接種完了が80.7%、2回目接種完了が62.3%と、全国平均と比べてかなり進んでいる。一方、市内年代別感染者数をみると、60歳以上の感染者数は5月時点で163人、6月時点では32人と大幅に減少した。
また、PCR検査についてもワクチン接種の効果が表れているとした。東京都では介護施設等に対し、毎週全職員にPCR検査を実施。4~6月の累計検査数の23万8267件中、陽性者は13件、確定診断陽性率は0.5パーセントと極めて少ない結果となった。
あわせて、平川副会長が運営する老健施設のワクチン接種状況とPCR検査受験状況についても報告された。7月12日時点で、利用者、職員ともに98%近くが2回目までの接種を終えており、PCR検査は今年3月以降、全員陰性が続いている。
これらの結果について、平川副会長は「臨床家の感覚としては、感染者数が減っている。現場にとってワクチン接種は心強い味方であり、感染を抑え込むことができている。これまで1年以上、職員は外に出られず、利用者も季施行事などのイベントができなかった。今後はこのデータをもとに、フレイルにならない程度の積極的な介護ケアや面会ができるのではないか」と述べた。