日医の意識調査、医療機関での感染に不安を感じる人が7割(10月7日)
日本医師会の城守国斗常任理事は10月7日の会見で、「第7回日本の医療に関する意識調査」の結果を発表した。
新型コロナ感染症による生活の変化やかかりつけ医の普及、医療への満足度などについて聞いた。全国20歳以上の男女対象に個別面接聴取法で7月に実施。有効回答数は1212。前回調査は2017年4月に実施した。
新型コロナ感染症の蔓延で82.1%の人が生活の不安を感じ、96.8%が外出自粛に従っていた。強制的な外出禁止や休業などが必要と考える人は93.6%にのぼった。
新型コロナ感染症による生活様式の変化で精神的不調を感じる人は35.6%、体の不調は20.7%だった。医療機関での感染に不安を感じる人は69.3%で約7割にのぼり、受診控えの要因になっていた。城守常任理事は、「国民の心身の健康の影響に対応することが喫緊の課題となっている」と述べた。
感染状況や対策について国が迅速な情報提供を行ったかの問いに対し、全体の58.6%が否定的な回答だった。城守常任理事は、「秋冬の感染症に備え、国民へのタイムリーな情報提供が求められる」と述べた。
かかりつけ医がいる人は全体の55.2%で、高齢者ほど高い割合を示した。20歳代が21.6%、30歳代が34.4%であるのに対し、60歳代は66.0%、70歳以上は83.4%となった。「いないが、いるとよいと思う」人の割合は3年前の調査に比べてすべての年代で増加しており、コロナ禍のなかで必要性が高まっていると推測した。
医療への満足度を聞くと、過去1年以内に受けた医療に対して「満足」と答えたのは92.4%、医療全般について「満足」と答えたのは76.1%と高い割合となった。
一方、医療体制について「所得に関係なく受けられる医療の中身は同じであるほうがよい」と回答した人の割合は74.3%で、過去の調査からの傾向に変化はなかった。コロナ禍に関係なく、国民の間では平等な医療を望む声が強いことがわかった。