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高血圧領域での治療用アプリが世界初の薬事承認へ(3月9日)

医療機器ベンチャーの株式会社CureApp(佐竹晃太社長)は3月9日、同日の薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会で、同社の高血圧症治療用アプリ「CureAppHT高血圧治療アプリ」の薬事承認申請が了承されたことを発表した。

同社によれば、高血圧領域における治療用アプリとしては世界初の薬事承認となる。正式な薬事承認取得後、年内中の保険適用、販売開始をめざす。

株式会社CureApp 佐竹晃太社長

同治療用アプリは、自治医科大学と共同開発し昨年5月に薬事申請していた。

患者アプリによって患者ごとに個別化された治療ガイダンス(血圧モニタリングと生活習慣ログから個別化された食事、 運動、 睡眠等に関する知識や行動改善を働きかける情報)を直接提供。 行動変容を促し患者の正しい生活習慣の獲得をサポートすることで、 継続的な生活習慣の修正が可能となり、 血圧低下または高血圧の状態から脱するという治療効果をもたらす。また、医師アプリでは医師も患者の日々の生活習慣の修正状況が確認できるため、 限られた時間内での診療の質の向上、 継続的な生活習慣の修正の実施が期待される。

プログラム医療機器調査会で承認された内容は、◇一般的名称=高血圧症治療補助プログラム(新設予定)◇使用目的・効果=成人の本態性高血圧症の治療補助◇構造・原理=本態性高血症の患者に対して患者ごとに変容を促し、生活習慣の修正を行うことで降圧効果を得ることを意図したプログラム。医師の指導の下、高血圧治療ガイドラインによる標準的な治療とともに用いられるもの◇使用方法=患者アプリは患者アプリのインストール、処方コード入力を行い使用し、アプリから配信される内容を実施し日々の記録を取る。医師アプリは患者の治療進捗を把握しながら、高血圧治療ガイドラインに基づいた治療に加えて使用する―などとしている。

また、調査会では承認条件として、「承認後1年を経過するごとに市販後の本品の有効性に関する情報を収集するとともに、本品の有効性が維持されていることを医薬品医療機器総合機構(PMDA)宛に報告すること」と求めている。

同日の会見で佐竹社長は、今後の見通しについて「通常のプロセスで考えると、おそらく1か月程度の後には正式に厚生労働大臣から承認がでると思う。その後、保険適用に向けての手続きを進め、今年中には保険適用、販売をめざしている」と述べた。

売り上げ目標については、「国内で降圧薬の市場規模は5千億円といわれるなかで、ある程度のシェアをとって数百億円単位の売り上げをめざしたい」と述べた。

2022年度診療報酬改定で「プログラム医療機器等医学管理加算」の項目が新設されることに触れ、「今回の改定でプログラム医療機器いわゆるSaMDに関しての枠が新設される。これは放射線治療やリハビリ、手術などと同じくらいのカテゴリーができたといえる。これまで診療報酬のなかでSaMDの保険点数を受け止める枠がなかったので、今後開発される治療用アプリの保険適用に向けても大きな意義がある」と評価した。

同社が2020年12月に販売を開始した国内初のニコチン治療用アプリについては「販売から約1年経って、数百単位の医療機関に導入されている。また学会が出しているガイドラインには標準治療として位置づけられている」と述べた。  

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