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フリーランスの取引適正化を図る新法案が衆院で全会一致で可決

    フリーランスと発注事業者間の取引の適正化等を図るための新たな「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」は4月6日、政府提出原案のまま衆議院本会議において全会一致で可決され、参議院に送られた。

内閣官房ホームページ▶第211回通常国会提出法案

 本会議採決に先立つ同5日に内閣委員会で全会一致で可決され、その際、18本の附帯決議が付された。「本法の実効性を確保するため、本法に基づく省令・指針等を定めるに際しては、業界・業種によって契約内容が大きく異なるため、それぞれの業界及び当事者の意見を踏まえた省令・指針等を定めること」などが盛り込まれた。
    同法案は、働き方の多様化の進展を踏まえ、個人が事業者として受託業務に安定的に従事できる環境を整備することが目的。主な内容は、特定業務委託事業者(発注事業者)及び特定受託事業者(フリーランス)の取引について、特定業務委託事業者が、①書面等での契約内容の明示②報酬の60日以内の支払い③募集情報の的確な表示④ハラスメント対策等──の措置を講じることが盛り込まれている。また違反した場合の罰則も規定されている。施行は公布から起算して1年6月を超えない範囲で政令で定める日。
 昨年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」には、フリーランスの取引適正化のための法制度について検討し、早期に国会に提出することが明記されていた。これを受け、政府は内閣官房を中心に公正取引委員会・経済産業省・中小企業庁・厚生労働省で検討し、同法案をまとめた。内閣官房の2020年の試算では、フリーランスとして働いている人は462万人。
 同法案は2月24日に閣議決定され、国会に提出。3月28日に衆院内閣委員会に付託された。同委員会は同29日に法案の趣旨説明を後藤大臣から聴取し、4月5日に審議・採決を行い、全会一致で可決すべきものと議決した。法案は同6日に本会議でも全会一致で可決され、参議院に送られた。


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