コロナ対応で都医会長「4~5月の感染予防で新たなステージに」(4月13日)
東京都医師会の尾﨑治夫会長は4月13日の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の対応について「4~5月の数か月が大事だ。しっかりと感染予防を行ってワクチン接種を円滑に進めれば、7月以降には新たなステージに入る希望が出てくる」と呼びかけた。
現状について「第4波の入り口」と位置付けて、今後の新型コロナへの対応の流れとして、①4~5月にかけて感染者の急増を防ぐとともに、ワクチン接種を円滑に進める②6月中には医療従事者や高齢者へのワクチン接種が完了し、接種終了者の感染予防や重症化予防につながる③7月以降は重症患者のさらなる医療提供体制の充実が期待でき、コロナ対応が新たなステージに進む可能性がある―との見方を示した。
その上で、「感染急増防止のためには変異株の増加を防ぐことが重要で、高齢者のみならず若い世代への感染拡大・重症化が懸念される。変異株まん延の危機と高齢者へのワクチン接種開始が重なる意味こそ、全世代で感染拡大の防止に取り組んでほしい」と訴えた。
現在の時短要請によらない新たな飲食店対策の必要性を強調。従業員や客に対する検査を徹底し、地区医師会と行政、商店街が連携して繁華街でのモデル事業を計画していることを明らかにした。また、感染対策について商工会議所との定期的協議を4月2日に開始し、経済界と医療界が協働してコロナ対策に取り組む意向を示した。
東京オリンピックの開催については、変異株の急増やワクチン接種の遅れの現状を指摘し、「これ以上感染が広がればいろいろな国から選手を招いて開催することは、無観客だとしても難しいのではないか。国や組織委員会は早めに感染予防の体制を示してもらい、それに対して我々がどう考えるかということになる」と述べた。
一方、猪口正孝副会長は、新型コロナに対応するための今後の医療提供体制の拡充に向けて、①都立・公立病院の専門病院による一時受け入れや一般中小病院の借り上げなどによる専門病院化によって調整の必要がないサージキャパシティの確保②確保病床の60%稼働を前提に、ICTを利用した調整による稼働率のアップ③確保病床のさらなる拡大④回復期病院など後方支援の活用⑤宿泊療養の効率化―などを提案した。確保病床のさらなる拡大については、「コロナ用に転換すると、通常の医療を圧迫する別の悲劇が内在している」と指摘した。
新規感染者数が1000人を超える大阪府の現状については「2~3週間後には東京も同じような状況なる可能性がある」と述べた。