2024年の次期財政検証でもオプション試算の実施を確認――第12回社会保障審議会年金部会
第12回社会保障審議会年金部会が1月31日に開催され、2024年に予定されている次期財政検証においても、一定の制度改正を仮定したオプション試算を実施していくことが確認された。財政検証におけるオプション試算は、2019年の財政検証において、法律で要請されている現行制度に基づく「財政の現況及び見通し」に加えて、年金部会での議論を踏まえたうえで、制度改正を仮定した財政の現況及び見通し(オプション試算)が実施された。2019年12月に年金部会がまとめた「議論の整理」では、「今後の年金制度改革でもオプション試算を踏まえたうえで議論を進めていくべき」と位置づけられた。
厚生労働省は、オプション試算の内容を、
○年金部会等で見直しの議論がされており、改正後の姿が想定でき、試算を行うための制度の前提を設定することができるもの
○年金財政に対して、一定程度影響があると見込まれるもの
――について行うものとする、との見解を示す。
この日の部会では、委員から、オプション試算を実施しないからといって改正案から排除しないことや、財政に対して一定程度影響が見込まれないものも必要に応じてオプション試算を実施することなどの要望が示された。
これまでの部会の議論を踏まえると、「適用拡大」「基礎年金の拠出期間の45年への延長」「在職老齢年金の見直し」「標準報酬月額の上限の引上げ」などがオプション試算の内容に盛り込まれてくるとみられる。