サル痘発症例が今年に入り増加 国内で96例目(2023年4月7日)
サル痘(エムポックス)の国内発症例が増加しており、厚労省は注意を呼び掛けている。
4月7日には沖縄県内において、国内で96例目、同県内では1例目となる発症が確認された。当該患者は発熱や発疹、咽頭痛の症状があるが、状態は安定している。
サル痘は2022年7月の国内1例目の報告以来、2022年12月までは8例の発症が確認されていたが、2023年に入ってから88例が確認されている。
主要な症状は発疹や水ぶくれ。性器や肛門、臀部、顔、口、手足で多く発生する。発熱や頭痛、喉の痛みや肛門(直腸)の痛みなどの症状が見られる場合もある。
多くの場合は自然軽快するが、小児や患者の健康状態、合併症などにより重症化することがある。
感染経路は、感染者の皮膚の病変や体液、血液との性的接触を含む接触が中心であり、人から人への飛沫感染は容易には起こらない。
密接な接触によりだれでも感染する可能性はあるが、国際的に男性同性間の性的接触での感染報告が多くなっている。
厚労省はサル痘を疑う症状が見られた場合、マスクの着用や発疹部位をガーゼなどでおおう等の対策をした上で、最寄りの医療機関に相談するよう呼びかけている。また、特定の集団や感染者等に対する差別や偏見により人権を侵害しないよう注意を促している。
サル痘は感染症法上の4類感染症であり届出義務の対象。
地名や動物の名前を使用しないWHOの方針に則って、名称を「エムポックス」と変更する感染症法施行令の改正が予定されている。