令和2年度国民医療費は新型コロナの影響で▲3.2%の44兆3895億円(11月30日)
厚労省は11月30日、令和2年度国民医療費を公表した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による受診控えの影響で4年ぶりに減少に転じ、前年度比1兆4230億円減の44兆3895億円となった。伸び率は▲3.2%で、昭和29年度の統計開始以来、最大の減少幅となった。
1人当たりの国民医療費は34万600円で、前年度比▲3.2%、1万1200円減となっている。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.02%と前年度7.97%よりも上昇し、過去最高となった。
診療種類別にみると、医科診療医療費は前年度比▲3.7%の30兆7813億円となった。そのうち、入院医療費は▲3.3%の16兆3353億円、入院外医療費は▲4.1%の14兆4460億円となっている。
歯科診療医療費は▲0.4%の3兆22億円、薬局調剤医療費は▲2.5%の7兆6480億円(2.5%減)、入院時食事・生活医療費は▲5.2%の7494億円、療養費等は▲10.2%の4602億円となった。一方、訪問看護医療費は3254億円で、前年度よりも19.3%増加した。
医科診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」6兆21億円(構成割合19.5%)で最も多く、次いで「新生物(腫瘍)」4兆6880億円(同15.2%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」2兆4800億円(同8.1%)、「損傷、中毒及びその他の外因の影響」2兆4274億円(同7.9%)、「腎尿路生殖器系の疾患」2兆2733億円(同7.4%)となっている。
1人当たり医療費を都道府県別にみると、高知県が45万7600円で最も高く。次いで鹿児島県42万6700円、長崎県42万1000円の順。最も低かったのは埼玉県の29万8200円で、千葉県29万9700円、神奈川県30万2300円となった。