日医が新型コロナウイルス対策で首相に要望書(3月4日)
日本医師会の横倉義武会長は3月4日の会見で、2月27日に新型コロナウイルス対策についての要望書を安倍晋三首相に手渡したことを報告した。
要望書は、①患者クラスターや地域の流行状況に応じ、学校医と相談の上、地域における学校の臨時休業や春休みの弾力的な設定②医療現場におけるマスク、手袋、防護具、消毒薬等を含めた医療資機材の確保と迅速な配備③医師の判断によるPCR検査を確実に実施する体制の強化④診断キット、治療薬、ワクチンの早期開発への最大限の尽力⑤感染症危機管理の強化並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる「いわゆる日本版CDC(米国疾病予防管理センター)」の創設―の5項目の実現を提言している。
横倉会長は、「安倍首相には一定の理解を示してもらった。日医に対しては、『いまのような状況で国民は身近で安心できるかかりつけ医に診てもらいたいと考えていると思う』との発言があり、感染拡大防止に向けた引き続きの協力が求められた」と述べた。
安倍首相が3月2日から全国の小中学校等の臨時休校を要請したことに対しては「驚いたが、それだけ危機感を持っているのだろう。感染拡大を防止する点では必要な対応だと思う」と理解を示した。
一方、同日の会見で釜萢敏常任理事は、新型コロナウイルスの疑いがあり医師がPCR検査を求めても、保健所などが対応しなかった事例が7つの都道府県医師会から30件報告されたことを明らかにした。